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熊本市の中心繁華街から10分ほど歩いたところに、『河原町繊維問屋街』という時代に取り残された商店街がある。いや、取り残されたと言うより、うち捨てられたというべきか。
JR熊本駅からなら路面電車で5分のところだ。そこを訪れた人はタイムスリップした錯覚に陥るだろう。あの昭和の佇まいがそのまま廃墟と化した異空間に出会うからだ。
トタン屋根のアーケード街には小さな店舗が並んでいるが、どれも廃屋である。通路は幅2メートルほどでこじんまりとしており、まるで迷路のようでもあるし、映画のセットの様でもある。
しかし、暫く彷徨っていると、ここが単なる廃墟ではないことに気付く。そう、平成の若きクリエイター達が集まり始めているからだ。
■ 昭和の廃墟群に集まる平成のクリエイター達
その廃墟群には、古着屋が開いていたり、イラストレーターやグラフィックデザイナーたちが作品を飾っていたり、建築家や芸術家たちが語り合うカフェが開いていたりする。
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どうやら10数年前ほどから、このうち捨てられたような廃商店街に、若きクリエイター達が集まり、商店街を自分たちのスタイルにカスタマイズし始めたらしい。
そう、『河原町繊維問屋街』という廃墟群は今、クリエイティブな若者達の表現の場になっているのだ。
既に現在では、彼らのアトリエやショップが30店舗ほどにまで増えているという。
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そんな不思議な空間に魅了されてきた一人の男がいた。