相続税の節税対策として、一番に挙げられるのは生前贈与だ。次に挙げられるのは、生命保険料控除だ。しかし、数十年前は別の対策法が主流であり、現在ほど規制が厳しくなかったため、常軌を逸した対策をした人達が居た。
■養子を増やして相続税の基礎控除額を増額するという節税方法
かつて、相続税の節税対策の主流は被相続人が生前の養子縁組により、法定相続人の人数を増員し、相続税の基礎控除額を増額し、相続財産額を圧縮することで節税対策としていた。更に、養子縁組した人物には、相続を放棄させる(当然御礼はしていたが)ことによって、本来の相続人達の相続分を減額しないようにしていたのだった。
数十年前には、実際に上記のようなことが普遍的に行われていたのが実情だった。だが、関西のある家族が、養子縁組により赤の他人を含む数十人を自らの養子とし、実質的に相続税を免税としてしまった事件があった。これがきっかけとなって相続税法が改正され、養子縁組による節税対策には、一定の制限が課せられることとなったのだ。
■当時、養子縁組の増員に一切制限はなかった
当時、養子縁組による相続税の節税対策には制限が無く、理論上ならば養子縁組により相続人を増員することにより、基礎控除額を相続財産と同額まで増やすことができた。そして、実際にそれを実行した。
国を原告とした裁判沙汰となったが、結局は制限すべき法規が一切無いため、そのままの処置となってしまい、その家族は相続税の課税を免れた。これを期にして一時期には、本来ならば莫大な相続税が課されるべきところが、免税となってしまった例が幾つかあった。
■行き過ぎた養子縁組による節税が税制を改正させた
税金というものは、本来は税の公平と言う理念のもと、公平に課せられることを是とする。しかしながら、法の裏を描いて節税どころか、脱税に近い行為をするものが後を絶たない。
誰もが高額な税金を納付したくないのは事実だが、真面目に生活し、税金を納付している人が多いのも事実だ。公平性を損なうのは容認できない方が多いだろう。
【終活】遺産分割の次に重要な相続税対策。一昔前の行き過ぎた節税対策とは
2016.03.28 19:00
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