アパレル業界牽引役に明暗 「しまむら」が「ユニクロ」蹴散らしV字回復の理由

| 週刊実話

 国内衣料品業界のトップを走り続ける「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(本社・港区)は、2016年8月期の連結決算の最終利益が前期比56.3%減の480億円と落ち込んだ。これは最高益を更新した前期から一転、2年ぶりの減益。「ユニクロ」は'20年度5兆円目標の売上高を3兆円まで大幅に減額したほどだ。
 衣料不況で苦しんでいるのは同社だけではない。信用調査会社によれば、'16年上期のアパレル関連企業の倒産件数は前年同期比7%増の205件。理由は、円安での仕入れコスト高騰や中国の不況、人件費高騰の影響とされる。
 「海外観光客のインバウンド消費も落ち込み、百貨店向けアパレルも四苦八苦です。『オンワード』、『三陽商会』などの大手も、2000軒弱の店舗閉鎖でこの不況を乗り越えようと躍起です」(アパレル関係者)

 そんな中、ユニクロに次いでナンバー2の衣料大手、「しまむら」グループ(本社・さいたま市)が1人絶好調だという。
 「しまむら」の決算について、経営アナリストがこう解説する。
 「『しまむら』は'17年2月の対前年比営業利益で15.8%増の462億円を見込んでいます。実は『しまむら』は、'14年と'15年、上場来初めて2期連続減益に落ち込み、大きなダメージを受けていた。ところが、'16年2月期の連結業績は営業利益が前期比8.4%増の399億円と、3年ぶりに営業増益に転じ、さらに来年2月期は過去最高益を予測している。つまり、昨年、劇的な盛り返しがあったのです」

 いったい「しまむら」に何があったのか。
 「一時『しまむら』と言えば低価格衣料で“デフレの勝ち組”として君臨し“シマラー”という言葉まで誕生したほどですが、'14年の8%への消費税増税後、競合他社が相次いで値上げする中でも、低価格路線を維持。結果として、不良在庫の値下げ処分が増加し、粗利率の悪化で業績が下がって瀬戸際まで追い詰められたのです。そんな中、野中正人社長自ら先陣を切り“いい商品を開発して品揃えをよくすれば必ず売れる”と、改めて商品開発に力を入れたといいます」(経営アナリスト)

 そこへ来て、'15年秋冬シーズン、『裏地あったかパンツ』(税込3900円)が爆発的にヒット。'15年度は110万本を売りさばいたのだ。

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