11月11日、政府の規制改革推進会議、農業ワーキング・グループが、全国農業協同組合連合会(以下、全農)の「改革」と称し、実質的に全農解体を求める提言を提出した。この“暴走”としか表現のしようがない内容に、永田町が大騒動となった。
自民党の農林合同会議では、
「農家の所得向上ではなく、農協つぶしが目的になっている」
「農協の評価をするべきなのは農家だ」
などと反発の声が相次ぎ、さらに公明党でも、規制改革推進会議のやり方に批判が殺到した。
全農「解体」提言の肝は次の2カ所になる。
(1)生産資材
新たな事業においては、全農は、仕入れ販売契約の当事者にならない。また、全農は、農業者に対し、情報・ノウハウ提供に要する実費のみを請求することとする。
(2)農産物販売
全農は、農業者のために、自らリスクを取って農産物販売に真剣に取り組むことを明確にするため、1年以内に委託販売を廃止し、全量を買い取り販売に転換すべきである。
まず大前提を知ってほしいのだが、農家はもちろん、農協にしても、生産資材(農薬、肥料など)を全農から購入する義務はない。
例えば肥料。国内の農協が全農・経済連から購入している肥料のシェアは59%。農協の時点で、全農・経済連のシェアは6割に満たない。さらに生産者(農家)が使用する肥料1400万トンのうち、農協のシェアは71%となっている。
農薬は農協の段階で、全農・経済連のシェアは40%。農家が使用する農薬を見ると、農協のシェアは60%となる。
別に全農は「独占的事業者」でも何でもないのだ。
全農の生産資材の価格が高いというならば、農協も農家も、別の卸売業者、小売業者から買えば済む話で、実際にそうなっている。
全農の生産資材には営農指導のコストが含まれているため、他の業者より高くなるケースがある。とはいえ、農協や農家側には、全農から生産資材を購入する義務はない。
それにもかかわらず、規制改革推進会議は全農に対し、生産資材の「商社ビジネス」からの「撤退」を求めた。
また農産物販売において「全量買い取り」を強制するというのも、異様としか表現できない。
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第201回 亡国の全農解体構想
2016.12.17 14:00
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