エッグタルトは、日本でも人気のポルトガル生まれの伝統菓子。エッグタルトの本場といえば、本国ポルトガルや、ポルトガルの植民地であったマカオが思い浮かびますが、マレーシアにもとってもおいしいエッグタルトがあります。
マレーシアにおいて、エッグタルトは飲茶デザートの定番。中国系の住民が多いペナン島・ジョージタウンでは、絶品のエッグタルトが楽しめる専門店があるんです。
それが、「名香泰(MiNG XIANG TAI)」。中国の伝統菓子を販売するペストリー専門店で、数々のメディアにも登場している名店です。
その看板商品が「トライショー・エッグタルト」。「トライショー」とは現在もペナン島やマラッカで見られる三輪タクシーのこと。
「トライショー・エッグタルト」の歴史は、現在のオーナーの祖母にあたる尹玉群が1960年代に始めた家業にさかのぼります。
1979年、その息子である区志德と妻・曾莉梅は、トライショーを改造して、ペストリーの移動販売を始めました。この「1979」という年号は、「名香泰」のロゴにも刻まれています。家業はしだいに成長を遂げ、2002年にはペラ州の都市、トゥルッ・インタンに飲茶レストランを開業するにいたりました。
そして、2008年に若き三代目オーナーがペナン島にオープンさせたのが「名香泰」。
トライショーでペストリーを売り歩いた両親への敬意を表し、看板商品であるエッグタルトに「トライショー・エッグタルト」と名付けたのです。
オーナーは「なぜトゥルッ・インタンにより近い首都・クアラルンプールではなくペナン島に店を開いたのか」という問いに対し、こう答えています。「ペナンの人々はフレンドリーで、伝統的なビジネスを営むのに適している。そして何よりもここの伝統文化が好きだからさ。