千年以上前から存在していた当時の散骨と、私たちが考える現代の散骨の違い

| 心に残る家族葬
千年以上前から存在していた当時の散骨と、私たちが考える現代の散骨の違い

今年から神奈川県横浜市は、市営斎場で行われた火葬後の「残骨灰」を3000万円以上で売却すると決めた。市内4ヶ所の市営斎場から出る灰は毎年57トンに及ぶ。そしてその中には、金・銀、パラジウムなどの貴重な金属が含まれており、それらを適正にリユース・リサイクルするという。

■遺族が引き取らなかったものや拾骨後に残った灰を再利用する横浜市

本来、火葬後に残った灰については、遺族に返却すべきなのではないかと考えられるが、横浜市健康福祉局健康安全部環境施設課によると、残骨灰の大半は、火葬・収骨後の焼却灰、集じん灰、炉床保護剤(戸塚斎場は除く)、義骨などの金物、そして何らかの理由で遺族に引き取られなかった焼骨である。これらをただ「売却」するのではなく、関係法令を遵守した適正処理を行う。そして売却によって得られた収入は、慰霊を表すことや、斎場を利用する人たちに目に見える形で還元し、横浜市の予算・決算時に明示するとしている。

■納骨出来ない方や、そもそもお墓を持たない方が増えている

近年、家族の遺骨の「処理」に困っている人が増えてきたと言われている。墓を買うことができないために、自宅に遺骨を抱え込んだまま暮らしていたり、意図的に駅のコインロッカーなどに置き去りにしてしまう場合もある。また、子や孫の世代に負担をかけたくない、または自分が死んでしまったら、管理する身内が誰もいないため、先祖代々の墓を撤去してしまう「墓じまい」も珍しくない。また、墓を持たないことを前提とした形で、遺骨を海などにまく「散骨」も多くなってきた。

これらは現代ならではの「新しい」状況だととらえられているが、日本において、「散骨」そのものは決して珍しいものではなかった。

■万葉集にも登場した散骨。そこでは遺骨自体への負の感情は感じられない。

例えば『万葉集』(7世紀後半〜8世紀後半)内の、人の死を悲しむ歌・挽歌(ばんか)の中には、散骨を詠んだものがある。

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