経済(厳密には「生産活動」)は、五要素で構成されている。資本、労働、技術、需要、資源。
5つの中で資本、労働、技術の3つは「供給能力」の構成要素でもある。ちなみに、資本とはおカネの話ではなく、道路、トンネル、橋梁、鉄道網、空港、港湾、発電所、送電線網、電波塔、通信ネットワーク、ガスパイプライン、上下水道網、建築物、工場、機械・設備、運搬車両といった「生産のために必要な資産(いわゆる生産資産)」を意味している。
資本の上で、生産者が労働を提供し、モノやサービスを生産する。もっとも、各国によって一人の生産者により生産可能なモノやサービスの量は異なる。つまりは、生産性に違いが生じる。
そして、生産性を左右するのが「技術」なのである。
技術なしでは、資本を建設することは不可能だ。高速道路や新幹線を、技術力無しで建設できると考える人はいないだろう。そもそも「資本」主義とは、インド産キャラコに対抗するため、イギリスが綿製品の生産性を向上させる「技術投資」に成功した結果、始まった経済モデルだ。技術力を高め、生産性を向上させることこそが資本主義の基本である。
重要極まりない技術に対する投資を、日本国は疎かにしてきた。信じがたいかも知れないが、日本の研究開発費総額は21世紀に入って以降、全く増えていない。2016年のわが国の研究開発費総額は、18.4兆円。最大の問題は、「対前年比▲2.7%」であることだ。つまりは、日本は'16年に至っても、研究開発費を「節約」している。
研究開発費の対前年比の内訳を見ると、
●公的機関 ▲7.3%
●企業 ▲2.7%
●大学 ▲1.1%
と、政府の緊縮財政に企業や大学が引っ張られ、全ての部門でマイナスという情けない状況に陥っているのである。
'16年のアメリカの研究開発費は51.1兆円で、「まだ」世界首位を維持している。そして、中国が45.2兆円。すでに日本の2.5倍であり、かつペースを落とさずに増やし続けている。ちなみに、直近で研究開発費総額を減らしているのは、わが国のみだ。
このままでは、わが国は普通に技術小国に凋落する。というよりも、現実に凋落しつつある。だからこその、国際リニアコライダー(以下、ILC)なのだ。
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第286回 国際リニアコライダーと伊勢神宮
2018.09.13 06:00
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