中国東北地方にある吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市は、同州の中心都市で、多くの朝鮮族が暮らし、北朝鮮との貿易拠点として知られている。また、北朝鮮からの脱北者が人目を避けて暮らす地でもある。
脱北者の多くは女性だ。彼女らは中国国内で法的な立場がないため、とりわけ搾取されやすい。農村などに花嫁として売られたり、売春を強いられたり、そして「セックスカム(インターネットで性行為などをリアルタイムで配信する)・ガール」としてウェブカメラの前で性労働を強いられる女性もいる。
「セックスカム」は韓国企業の運営で、利用者のほとんどは韓国人だ。1分単位で料金が発生するため女性たちはなるべく長い時間、男性客の気を引くのが良いとされる。恥ずかしいポーズを拒否したり、躊躇すれば韓国系中国人の「ディレクター」は北朝鮮に送り返すぞと脅したりもする。
韓国には安全な脱北者専用施設があるが、国境地帯は厳重な警備が敷かれ、あちこちに地雷が埋まっている。従って韓国へ直接逃げるのはほぼ不可能だ。そのため、多くの脱北者は中国国境を越え同国東北部へ向かう。
しかし中国では脱北者は「違法移民」と見なされ、当局に見つかれば送還される。もし送還されれば、「祖国への反逆」の罪で拷問され投獄される。
そんな中、人身売買で何年も「セックスカム」で性労働を強要されていた若い女性2人が、延吉市にあるとある団地の3階から、シーツを破いて作ったひもを使って逃げ出した。
北朝鮮国境付近に住む中国の住民の間では、こうした北朝鮮女性の人身売買は「朝鮮のブタ取引」と呼ばれることもある。女性の値段は数百〜数千ドルだ。
米国務省が毎年発表している人身売買に関する報告書は、一貫して北朝鮮を世界で最も人身売買の多い国の1つに認定している。
脱北者にとって、中国脱出もまた危険な行為だ。多くの脱北者は中国以外の国を目指して、現地の韓国大使館へ行き、そこから韓国への帰還と亡命を望んでいる。しかし、身分証明書なしで中国を旅するのは危険極まりない。
“この世の地獄”北朝鮮からの『脱北者』が直面する悲惨な未来
2019.02.05 21:45
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