2019年度の改正では、国税による情報照会制度が明確化されます。情報照会制度とは、事業者などに、税務調査に関して参考となるべき資料の提出などの協力を求めるものです。法律の建前では、税務調査に関する情報は、実際に税務調査を実施している納税者に関するものしか入手できないことになっています。このため、今後の税務調査を見据えてまだ税務調査を実施していない第三者に対する情報は、建前としては国税は入手できません。
■情報照会制度の改正とは
ただし、そうなると税務調査が難しくなりますので、現状は銀行などを調査する際、行員の目を盗んで情報を盗用したり(いわゆるヨコメ)、納税者に協力を要請して任意で取引先の情報を提供したりしてもらうことで、第三者の情報を入手しています。
今回の改正では、このような実務上の取扱いが明確化されます。明確化ですから、従来と位置づけは変わらず任意の協力であり、拒否することは当然に可能と考えられます。
■高額悪質な無申告者などを特定するための報告制度
一方で、新しい制度として、高額悪質な無申告者などを特定するための報告制度が創設されます。具体的には、国税は次の要件の全てを満たす場合には、所定の事業者などに、高額悪質な無申告者であると想定される取引者(特定取引者)の氏名などにについて、60日を超えない範囲内の期日を指定して報告を求めることができることされます。
1 特定取引者の国税について、更正決定等をすべき相当程度の可能性がある場合として一定の場合
2 この報告の求めによらなければ、特定取引者を特定することが困難である場合
この制度の対象者としては、仮想通貨業者などが想定されています。億り人という言葉に代表されるように、仮想通貨取引で多額の所得を得た納税者が多いと聞きますが、実際に申告しているかどうか、疑義があります。このような取引を行う者については、仲介役となる仮想通貨業者を押さえれば一網打尽にできますので、彼らから情報を取れるように、この改正が実現しています。
来年から適用となる「国税による情報照会制度の明確化」を税理士が解説
2019.05.17 19:00
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