「大間のマグロ」小型化と販売不振に横たわる根深い問題とは?

| Asagei Biz
マグロ

 “大間のマグロ”で知られる、津軽海峡産のクロマグロが販売不振に陥っている。今年、水揚げされたクロマグロは30キロ前後の小型なものばかりでトロの部位が少ないという。
 
「昨年は大間のマグロが記録的な不漁となり、2017年のおよそ3分の1しか漁獲できませんでした。今年は昨年同期の8倍の数が豊洲市場に入荷しているそうですが、身質や脂乗りが良いとされる100キロ以上の大型のマグロがほとんどない状況。そのため大型な海外産のものに見劣りし、競りで買い手が付かないケースもあり、関係者を悩ませているとのことです」(社会部記者)

 しかし、この状況にネット上では《去年が不漁だったから今年はサイズが小さくてもたくさん獲って、それで買い手が付かないって…》《サイズが小さいものは獲っちゃいけないことにするべき》など辛辣な意見が寄せられている。
 
「今年からサンマ漁の通年操業が解禁となり、例年よりも2カ月早く販売をスタートするや《身が小さく漁場が遠いので鮮度もよくない》と批判された例もあり、最近の漁業関係のニュースには首をひねりたくなるものが多い。クロマグロは14年に絶滅危惧種に指定されており、特に定められた国内の漁獲量、決められたエリア内での漁獲量で獲り合いが激しいのですが、下手に規制を強めればさらに混乱を招く事態になりかねない。そうした状態が育ち切らないマグロの乱獲を招くという悪循環に陥っているといいます」(経済ジャーナリスト)

 そこには当然、漁師の生活もかかっているわけだが、消費者としては、安定した美味しいマグロの供給を期待したいものだ。

(小林洋三)

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