世界を動かす4大企業「GAFA」の一角を占め、多角的なビジネスを展開。かつて「オンライン書店」として認知されていたアマゾンは、ECだけでなく、サブスクリプションサービス「Amazonプライム」やクラウドコンピューティング「AWS」など、ひと言では形容できない規模のメガカンパニーとなった。
その売上高は2009年が約245億ドルだったのに対し、2018年は約2329億ドルだから、10年でおよそ10倍だ。この急成長を生んでいる原動力は一体どこにあるのだろうか?
その回答の一つとなりえるのが、アマゾンが従業員に求める「普通の基準」にありそうだ。
2008年にアマゾンの日本法人であるアマゾンジャパンに入社し、アマゾンビジネス事業本部の事業本部長を歴任、2018年まで在籍した星健一氏の著書『amazonの絶対思考』(扶桑社刊)は、アマゾンの理念や行動規範、人材採用、ガバナンスを内部の視点から解説した一冊。
本書を読むと、アマゾンの「普通の基準」は表面的には非常にシンプルで「当たり前」だが、実践するとなると頭を徹底的に使わなければいけない、極めてレベルの高いものだと分かるだろう。
アマゾンが求める「普通」のレベルの高さを垣間見ることができるのが、人事評価だ。
一般的な人事評価方法というと、例えば半年や1年に一度、上司と部下が面談し、目標を達成できたかどうかに基づいて、上司が最終的な評価をくだすといったところだろうか。しかし、これでは上司の好き嫌いや人間関係が大きく影響しかねない。いくら上司が「公平に判断している」と考えても、人間はそこまで公平な目で見ることはできない。
一方、アマゾンの人事評価は「公平にして厳格」であると星氏。その評価基準は三つある。
一つ目は「SMARTゴール」に対するパフォーマンス。