不動産取引において、建設協力金という仕組みが採用されることがあります。建設協力金とは、貸ビルを建設する場合に、その資金に充てるため、あらかじめビルの借受けを希望する者から借りる資金をいいます。建設協力金を預託した場合、ビルの完成の際には優先的に貸渡を受けることができます。
これだけ聞くと少し複雑ですが、礼金のように借主が貸主に預託するものではなく、あくまでも借主はお金を貸している、という実態があるものです。
■法人税の収益計上時期
この建設協力金ですが、一般的には、賃料の支払いと相殺する形で償却することが多いです。すなわち、お金を貸している賃借人が支払うべき賃料に、賃貸人が返済するべき建設協力金を充当する、という形で相殺をしていくことになります。
この場合に問題になるのは賃貸人の収益の計上時期です。これについては、賃料の収受がないとしても、賃貸人が物件を貸し付け、それに対する賃料をもらうという取引には変わりありませんから、建設協力金を償却する賃借料と相殺するタイミングで収益計上することになります。
その他、法人税においては、礼金や権利金のように、賃貸人が賃借人から返済不要のお金を貰った場合、それをもらったタイミングで収益計上するべきという取扱いがあります。この点、先に見た通り建設協力金は礼金などとは異なり、返済をするべきものですので、賃貸人がもらったタイミングで収益計上する必要はありません。
■無利息でも一般的には問題なし
ところで、法人税において、無利息でお金を貸す場合、無償で経済的な利益を与えたとして寄附金課税の問題が生じることがあります。建設協力金についても、無利息で借主が貸主にお金を貸す、ということもありますので、この寄附金課税が生じるおそれがあると言われています。
この点、寄附金課税は合理的な理由がなくお金を貸すような場合が該当するとされています。建設協力金の場合、原則としては第3者間取引で、借主も経済的なメリットを追求して無利息で貸すはずですので、事実関係にもよりますが原則として寄附金課税の問題は生じないのではないか、と言われています。
建設協力金の計上時期や印紙税の取扱い、寄付金課税との関連性を税理士が解説
2019.12.27 19:00
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