消費税が課税される売上が5億円を超えるような場合、消費税の計算上控除できる経費について、原則として用途区分が必要になります。用途区分とは、その経費が以下のどの売上に対応するのか、区分することを意味します。
■用途区分
1 消費税が課税される売上(課税売上)・・・一般の商品の売上やサービスの提供など
2 消費税が非課税とされる売上(非課税売上)・・・居住用家賃、更地の賃料など
3 1や2以外の売上
■用途区分ごとの消費税の控除額
この用途区分を行うのは、それぞれに対応する費用ごとに、以下のように消費税の控除額が異なるからです。
(1) 課税売上対応の経費・・・負担した消費税の全額
(2) 非課税売上対応の経費・・・控除金額なし
(3) 上記3に対応の経費(共通対応経費)・・・負担した消費税に、一定割合を乗じた金額
■社宅の建築費用は非課税売上対応が原則
この用途区分について、注意を要する項目の一つに、自社で建築した社宅が挙げられます。
社宅は、会社が従業員の福利厚生を兼ねて、低額で貸し付ける住居ですが、この費用の取扱いについて、間違いが多くあるようです。先の通り、居住用家賃は非課税売上ですので、社宅の賃料は非課税売上になります。となると、この社宅の建築費用は非課税売上に対応する費用となるはずです。しかし、これを上記の(3)の経費、すなわち共通対応経費として処理することが多いのです。
この理由は、福利厚生として一般的な忘年会や食事の費用は、原則として共通対応経費とされているからです。社宅も同じ福利厚生なのでこうなると考えてしまいがちです。しかし、用途区分はあくまでもそこから生まれる収入に着目しますので、非課税売上が生まれる以上は、社宅の建築費用は原則非課税売上対応になります。
こうなると、上記の通り、控除額がゼロ円のものを上記(3)で一定金額の控除をしていますから、消費税の追徴が発生します。困ったことに、社宅の建築費用は膨大な金額なので、消費税も多額ですから追徴金額も大きくなることが通例です。
自社の社宅建築費用の用途区分は非課税売上対応が原則
2020.01.16 19:00
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