法人税においては、決算締切日の特例という制度が認められています。法人税は、各事業年度の決算に基づいて所得金額を計算することとされています。このため、例えば3月決算穂人であれば、決算日である3月31日までの実績で決算を行う必要があります。
■請求のタイミングが問題になりがち
ここで問題になるのは、請求等のタイミングが必ずしも月末ではないことです。例えば、20日締めの翌末支払いで売掛金を請求する場合、3月20日に発行する請求書は、3月20日までの実績を反映させています。このため、この請求書には3月21日~3月31日までの売上は計上されませんので、決算実務では、次回4月20日に発行する請求書から、この期間の売上をピックアップして決算することが一般的です。
しかし、このような処理をすると、経理実務は非常に困難です。加えて、上記のようなケースでは、翌月の請求書を確認せず、敢えて3月20日締めの請求書の実績を当期の売上とするような経理実務も見られました。これらを踏まえ、この経理実務を活かし、3月20日の実績で決算できるという特例が、決算締切日の特例なのです。
■事業年度は変わる訳ではない
この決算締切日の特例でよくある誤解の一つに、本来3月31日の決算日を、3月20日に繰り上げて決算日とするのがこの特例であるということが挙げられます。この特例は決算日をそのままとした上で、あくまでも請求などの都合によって各事業年度の決算の計算を簡便にすることができるというものです。このため、決算日は変わりません。
決算日は変わらないので、事業年度の月数に影響を受ける減価償却費の計算や、経費にできる交際費の限度額計算は通常の場合と全く変わりません。
■適用を受けられるのは合理的な理由があるもののみ
その他、この決算締切日の特例ですが、完全に任意で適用することはできません。あくまでも、決算を締める決算締切日を、決算日と異なる日とすることに合理的な理由のある費目ついてだけ、この特例を適用して差し支えないとされています。このため、決算日で締め切ることについて何ら支障のない収入や費用については、原則どおり、決算日で締め切る必要があると考えられます。
法人税における決算締切日の特例の意義と注意点を元国税の税理士が解説
2020.02.18 19:30
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