前回のあらすじ
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室町時代の「中二病」文学とも言える『閑吟集(かんぎんしゅう)』。世の乱れに不安な日々を過ごす庶民がその鬱屈を和歌に詠み、その技法は拙くとも卑近な感情が活き活きと表現されています。
今回は『閑吟集』に収録されている300余首の中から、特選14首をピックアップ。その魅力を紹介しています。
6、和御料思へば 安濃の津より来たものを 俺振りごとは こりゃ何事【意訳】お前を愛すればこそ、伊勢の安濃津(現:三重県津市)からわざわざ(京都まで)やって来たこの俺を振るとは、どういう事だ!
和御料(わごりょorわごりょう)とはパートナー、ここでは「最愛のお前」くらいの意味。伊勢からはるばる京都までやって来たのにフラれてしまった腹立たしさを詠んでいます。
……俺振り「ごと」は こりゃ何「事」……と、ゴトゴト繰り返す野暮ったい語感が、男の腹立たしさと動揺を見事に表現しているようです。
そんな男の狼狽(うろた)えぶりに対して、次の歌で女性は一刀両断。