多くの人が100歳近くまで生きる現代、そこで問題になるのは「いつまで健康でいられるか」という健康寿命です。そして誰しも、できることなら最後まで自分の足で歩きたいもの。人生において大切なのは「歩行寿命」なのではないでしょうか。年齢を重ねれば腰やひざ、股関節などに不調が出るのは避けて通れないことです。しかし年を取って歩けなくなっていくことを仕方のないことと諦めてしまう人がほとんどです。
加齢により腰ひざ股関節に痛みが出たり曲がったりして歩けなくなっていく現象を「腰ひざ股関節シンドローム」と名付け、痛みが出る原理や対処法について記しているのが、腰・関節手術の名医として知られる三輪道生医師の著書『腰ひざ股関節シンドローム 100歳までシャキッと歩くために知るべきこと』(幻冬舎刊)です。
いったい、なぜ腰やひざ、股関節は痛みが出たり、曲がったりするのか、腰痛や坐骨神経痛の原因は何なのか、痛みが出てしまった時はどうすればいいのかなど、三輪医師にお聞きしました。
■一度壊れた関節は自然に回復しない「人生100年時代」に知っておくべき腰と関節のこと――『腰ひざ股関節シンドローム 100歳までシャキッと歩くために知るべきこと』を通して三輪先生が伝えたいことについて教えてください。
三輪:この本は、腰、ひざ、股関節の一生の解説書として書きました。各部の構造から、痛みが出る原因、そして対処の方法まで、普段患者さんから質問されることや外来で説明することをそのまま本にしてみました。
痛みを抱える方にまず知っていただきたいのは、痛みが出る原因には2つあるということです。ひざや股関節のように、関節の軟骨がすり減って、骨が露出して痛みが出るパターンと、腰部脊柱管狭窄症のように関節の変形によって神経が潰されて神経痛が出るパターンがあります。
多くの方は痛み止めやサプリメントを飲んだり、筋トレをしたり、色々なことをされていると思うのですが、ひどくなってしまったら、運動で筋肉をつけてもマッサージをしても治ることはありません。