メンタル不調者を出しにくい会社はどんな特徴がある?

| 新刊JP
『IT技術者が病まない会社をつくる』の著者・浅賀桃子氏

突然会社に行けなくなる。休みがちになる。業務の進みが鈍くなる。
こうしたメンタル不調は突然やってくるものではない。必ず兆候があるものだ。会社としてメンタル不調者のケア、そして不調者を出さないための仕組み作りをしていかなければ、根本的な改善にはつながらない。

今回は『IT技術者が病まない会社をつくる』(言視舎刊)を上梓したベリテワークス株式会社代表の浅賀桃子氏に、特にIT業界において、「病まない会社」をつくるためにはどうすればいいのかをうかがった。
浅賀氏自身もカウンセラーとして活動しており、その経験がふんだんに盛り込まれている。
インタビュー後編ではメンタル不調を招かない組織の作り方について聞いた。

(新刊JP編集部)

■メンタル不調者続出を防ぐために、会社はどう動けばいいのか?

――本書はメンタルマネジメントの中でもIT業界に特化して書かれています。IT業界特有のメンタル不調にはどのようなものがありますか?

浅賀:構造的な部分で言うと、下請け企業では、「客先常駐」という毎日客先に出勤し、そこで仕事をして退社するというやり方が多くあるのですが、これが大きな負担になっているのではないかと思います。客先では自分でコントロールできることが少なくなりますし、常に上司が見てくれているわけではありません。不調が見逃されてしまうことも多いんです。

また、多重下請け構造についてもこの本で書いています。最初に見積もったスケジュールではどう考えても間に合わないものの、納期を後ろにずらすことができないために下請け企業が長時間労働をして対応することになります。上流の企業は発注先である下請け企業の社員に対して労務管理をする法的責任を負いませんから、長時間労働、さらにはメンタル不調も発生しやすくなるということですね。

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