『親孝行、したいときに親はなし』とは古くから広く伝わっている言葉ですが、それは親孝行したいと感じ、それを実行できる頃には親は亡くなっていることが多く、なかなか親孝行できなかったと思う人が多いのかもしれません。
今日は親子の愛情について描かれた浮世絵をご紹介します。
雪中に筍を掘る女 見立孟宗 画:鈴木春信 メトロポリタン美術館所蔵
雪の中で筍堀り?しかも裸足で。筍の旬と言えば春を迎える4月です。
一体どういうことでしょうか?
孟宗(もうそう)とは「孟宗(もうそう)」とは中国三国時代の呉の初代皇帝・孫権に仕えていた「李粛(りしゅく)」に学問を学び、呉の孫権・孫亮・孫休・孫皓と孫家四代に仕えた人物の名前です。
孟宗は幼い頃に父親を亡くして母親の手一つで育てられました。母は勉学に励む孟宗のために大きな布団を作ります。『何故そんな大きな布団を作ったのですか』と聞かれると、
『私の息子には家に人を招くような徳はありませんが、学問を志す人には貧しい人が多いと聞きます。