大坂のぜんざい屋に潜伏
前回の記事はこちら
さて、尊皇攘夷の志に燃えて故郷・土佐藩を飛び出した大利鼎吉(おおり ていきち)。どうにか新選組との死闘「池田屋事件」をくぐり抜けたものの、討幕計画「禁門の変(蛤御門の変)」に敗れ去って恃みの長州藩はボロボロ、今さら故郷へも帰れません。
「これから一体、どうすれば……」
京都から逃げ出し、大坂に潜伏していた鼎吉は、土佐勤王党時代の同志であった田中光顕(たなか みつあき)、大橋慎三(おおはし しんぞう)、池田応輔(いけだ おうすけ)らと合流。大坂南瓦町のぜんざい屋主人・石蔵屋政右衛門(いしくらや せいゑもん)の元に身を寄せます。