初代の神武(じんむ)天皇が日本を建国され、令和の今上(きんじょう。現在の天皇)陛下まで、実に126代2681年の歴史をつないでこられた皇室ですが、そのごく初期の天皇陛下はまだ神々と地続きだった名残なのか、少し人間離れした長寿の方が少なくありませんでした。
また、あまりに神秘すぎた故か具体的なエピソードがほとんど残されておらず、歴史学者の中にはその実在も疑わしいとする方もいるようです。
第2代・綏靖(すいぜい)天皇から第9代・開化(かいか)天皇まで8代の天皇陛下を「欠史八代(けっしはちだい)」と呼び、文字通り「欠けた歴史」すなわち架空(皇室の歴史を水増しするため)の存在とする意見がある一方で、ちゃんと実在していたという説も根拠をもって主張されています。
古代天皇の実在/架空にまつわる議論はいまだ決着していないものの、その存在を後世に伝えてきた方々は間違いなく存在しているわけで、そうした先人たちの思いを大切にしていきたいものです。
今回はそんな古代(特に欠史八代)の天皇陛下たちがしばしば都を移していたことに注目。実在/架空それぞれの面から考察していこうと思います。
滅ぼされたライバルたちがモデルになった?歴代天皇の都まず、いわゆる欠史八代の天皇陛下と、その都は以下の通り(現在地については諸説あり)です。