一定の要件を満たす居住用財産の譲渡について認められる、譲渡所得の3千万円控除について、失念しやすい要件の一つに、「所有者として居住」していた居住用財産を譲渡するという要件があります。国税庁のホームページには、以下のようなケースは3千万円控除の対象にならないと解説されています。
■3千万円控除の対象にならないケース
(1) 夫が所有している家屋Aに、妻と同居
(2) 家屋Aを売却するため、家屋Bに引っ越し
(3) 夫は家屋Aを売却する前に、死亡し、妻が家屋Aを相続
(4) 妻が家屋Aを売却
妻の家屋Aの譲渡が本特例の対象にならないのは、妻が居住していた時の所有者は夫であるため、妻は「所有者として居住」したことがないからです。このため、本特例の適用に当たっては、居住と所有の関係を整理する必要があります。
なお、この要件を失念しやすいのは、本特例に関する税法の条文を読んでも、この要件が書かれていないからです。この要件は、最高裁判例で指摘された要件で、実務において影響がありますから注意が必要です。
■空き家にしてからの土地の譲渡など
その他、この3千万円控除については、家屋を取り壊し、その敷地である土地だけを譲渡しても、適用できる場合があります。居住用財産の譲渡の特例というと、居住用家屋を中心に考えられた制度であり、原則として敷地だけの譲渡では対象にならないとされていることから、この取扱いを失念しがちですから注意が必要です。
具体的には、以下のようなケースは、居住用家屋の敷地であった土地の譲渡についても本特例の対象になります。
居住用財産の3千万円控除の要件「所有者として居住」は見落としがち
2021.07.20 19:00
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