水は電気を通さないと言ったら、「いやいや、そんなの嘘でしょ」と思うかもしれない。 水で感電したなんて話もあるじゃないか、と。
だが純粋な水は本当に電気を通さない。電線などが浸かった水で感電することがあるのは、そこに混ざっている不純物が電気を流すからだ。
水が「金属」になる、すなわち「導電性(電気が流れる性質のこと)」を帯びるには、人工的に作るにはちょっと難しい凄まじい高圧がかかっているときだけだ。
だが今回、チェコ科学アカデミーの研究グループは、そのような超高圧なしで純水を金属化することに成功した。『Nature』(7月28日付)で発表されたその水滴は、黄金の金属光沢を放っている。
・純水に電子伝導性を持たせ金属に変える方法
そもそも十分に高い圧力をかければ、理論上はどんな物質でも電気を流すようになる。原子と原子をぎゅっとくっつけると、その周囲を周っている「電子」の軌道が重なり、電子が自由に飛び回れるようになるからだ。
ただし、純水の場合、それに必要な圧力は48メガバール。地球の海面の大気圧の4800万倍にもなる。
だが、そんな高圧力なしで水を電子伝導性を持つ金属に変える方法がある。それは水を「アルカリ金属」に接触させて、その電子を拝借するというやり方だ。
アルカリ金属は外殻電子をいともたやすく放出するので、超高圧がなくても、水に電子を共有する性質を与えることができる。
ただし1つ困ったことがある。やたらと水に反応するのだ。アルカリ金属を水に落としただけで、爆発することだってある。