シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Fさん(広島県・50代男性)
当時中学生だったFさんはその日、地元の広島から東京まで一人で向かっていた。
1人で新幹線に乗るのも、県外に出るのも初めて。不安いっぱいだったFさんを見て、隣の席のおじさんが、「ある提案」をしてきたという。
<Fさんの体験談>
今から40年ほど前、私が中学生になったばかりの頃の出来事です。
東京で行われる卓球の全国大会に出場するため、初めて一人で広島から新幹線に乗りました。
駅のホームまでは親が見送りにきてくれましたが、新幹線に乗るのはもちろんのこと、県外に一人で出向くのは初めてのことだったので、不安な気持ちで乗車したのを覚えています。
そして、いくつか駅を進んだところで、隣の席にかっぷくのいい中年男性が乗ってきました。
「一人なのか」「お腹空いてるだろ?」丸刈りのジャージ姿の子供が新幹線に乗っているのが珍しかったのか、不安そうな顔していたのが気になったのか、スーツを着たそのおじさんは私に、「一人なのか」など色々話しかけてくれました。
そして、ひとしきり話した後、彼はおもむろに
「お腹空いてるだろ? 食堂車に食べに行こう」
と誘ってくれたのです。
余分なお金を持っていなかった私は返答に困って、「いえ、いいです」と断りました。
ですが、彼はニコニコしながら「お金は心配しなくていいから行こう」、と食堂車に連れていってくれたのです。