アパレル業界において「あえて接客をなくす」という選択が、現代特有の課題を解決する糸口となっている。SNSや職場で常に他者と「つながり」続ける現代社会では、対人ストレスが深刻化している。無人店舗を運営する株式会社UPBEARの中谷駿志代表取締役に、今必要な人間関係の「余白」について話を聞いた。
中谷氏は、現代の人間関係に必要な「余白」とは、十人十色の個性をそのまま受け入れられる「心の余裕」だと捉えている。「自分の目線だけで物事を見ると、他人への期待や干渉が生まれてしまう。他人の個性を良い意味で切り離して考えることができれば、コミュニケーションに余裕が生まれる」と語る。
同社が展開する無人店舗という形は、まさにその「見られない、見ない」という余白を作ることで、お買い物における個人の自由を尊重する仕組みである。自分と他人の違いを認め、干渉しすぎない余白を持つこと。そこから生まれる心の余裕や優しい気持ちこそが、職場やSNSでの「つながりすぎ」によるストレスを解消し、より良い人間関係を築くための重要な鍵になると考えている。
無人店舗が提供するのは、対面特有の「気を遣う・遣わせる」という心理的な壁を取り除き、純粋にモノやサービスと向き合える環境だ。中谷氏は、この仕組みを現代人が抱える対人ストレスの解決策として、幅広い業種に応用できるとみる。
「過剰な提案が負担になる接客業や、誰の目も気にせず集中したい学びの場など、『干渉されないこと』が最大の価値になる場面は多々ある」と指摘。「人を介さない」という選択肢をあえて作ることは、決してサービスの低下ではない。むしろ現代において、最も気楽で、お互いに無理のない距離感を提供できる一つの「正解」といえる。
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