ママ友トラブルで急増「泥ママ」の巧妙な手口とは?

ママ友トラブルで急増「泥ママ」の巧妙な手口とは?

 ここのところ江角マキコによるイジメ被害者発言からのマネージャーによる壁落書き事件や、ママカーストといわれる序列が明らかになるなど、幼稚園や小学校におけるママ友関係に注目が集まっている。今回は、ママ友が引き起こした窃盗事件の被害者になった筆者が、その卑劣な犯行の全貌を報告する。

 春の日の夕方、少し早めに仕事を終えて自宅に戻ると、当時幼稚園に通っていた娘の友達のお母さんであるMが妻のタンスの引き出しを開けていた。ここのところよく遊びに来る彼女は、まだ二十代半ばという若さで三人の子供を持つヤンママだ。髪を派手な色に染め、肩や足首にタトゥーを入れているところをみれば、以前は相当に遊んでいたのだろう。顔見知りなので声をかけると、慌てた様子で引き出しを閉めて振り返ったMは、引き攣り気味の笑顔で挨拶を返してきた。

「あ、こんにちは。ちょっとペンを借りたくて探してしまいました。ごめんなさい......」

 妻と子供達の所在を聞けば、近所のコンビニまでお菓子を買いに行っているらしく、彼女ひとりで留守番していたらしい。そんなことは、よくあることだ。この時は、ほんの少し違和感を覚えたくらいで、特に気になることはなかった。

 数日後、イラついた様子の妻が、ぼそぼそと呟きながらタンスの引き出しをひっくり返していた。聞けば、大事にしていたロレックスの時計と、祖母の遺品であるダイヤの指輪が見当たらないらしい。しっかり者の彼女が大事にしているモノを失くすことは非常に珍しく、二十年以上生活を共にしてきて初めてのことであった。

 一緒に保管していた結婚指輪や婚約時に購入したペアの時計はあるのに、そのふたつだけ見つからないのが不思議だ。きっと、子供達が悪戯したのだろう。そう思いつつ、その行方を子供達に尋ねてみると、時計や指輪をいじったことはないという。子供達にウソをついている様子は見られず、改めて様々な場所を探して見るが、その行方は杳として知れない。結局、どこにあるのか分からないまま、数日の時を過ごした。

「ねえ、バッグの中に入れておいたお金がないんだけど、知らない?」

「知っているわけないじゃない。いくら入ってたの?」

「八万円。

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