ママ友トラブルで急増「泥ママ」の巧妙な手口とは? (3/4ページ)
また、遊んだモノのあと片付けをする時には「あっちの部屋を片付けてくるね」などと言って、決まって誰もいない別の部屋に行きたがっていたという。いずれにせよ、子供を出汁にした犯行が許せない。
状況からすれば、すべて彼女の仕業であろうと思われるが、明確な証拠はない。結局、証拠を掴むまで変わらずに接して、言い逃れできない証拠を掴んでから警察に相談しようということになった。
その翌日、幼稚園まで娘を迎えに行った妻が、何気なくMの娘に話しかけた。
「昨日は、何して遊んでたの?」
「昨日はね、ママと池袋に行って、指輪と時計をお金に交換してもらったの。そのお金で、たくさんお買物して、焼き肉も食べたんだよ」
この言葉に反応した妻が、表情を変えることなく、言葉巧みに聞き返す。
「へえ、よかったねえ。指輪とか時計をお金に変えてくれるお店なんて、どこにあるの?」
「○×通りの大○屋って店だよ。ママと、よく行くんだあ」
ひょんなところから明確な証拠を掴んだ妻は、自宅に戻ると被害者と思しき関係者に連絡を回して集合をかけた。それから全員で所轄警察署に出向い、一連のことを訴えると、その店まで刑事が調べにいってくれることになった。
翌日、妻が提供したMの写真と無くなった品物の保証書などを片手に大○屋まで飛んだ刑事が、大○屋の古物台帳を確認すると複数の被害品を発見。それを持ち込んだ人物の身分証明書の写しや、防犯カメラの映像からMの犯行だという証拠が得られた。しかし、残念なことに被害品はすべて売却されており、その行き先を辿ることはできないという。愛する祖母の遺品と思い出の指輪、それに苦労して購入した時計をすべて失くした事実が重い。
卒園式の前日。警察から逮捕状が出たという連絡を受けた妻は、翌朝にMが逮捕されることを知った。その時間は、午前四時。早朝に行くのは、母親が逮捕されるところを子供や近隣住民に見せないようにするためで、被疑者に対する警察の配慮らしい。被害者一同、卒園式後の謝恩会でMと同席することを苦痛に感じていたので、卒園式当日の逮捕は喜ばしいニュースといえる。