ママ友トラブルで急増「泥ママ」の巧妙な手口とは? (4/4ページ)

東京ブレイキングニュース

しかし、幼稚園生活最後の楽しみを奪われたMの娘の気持ちを思えば、心から喜ぶわけにもいかない。

「ママが入院しちゃったから、謝恩会にはいけないの......」

 父親と卒園式に現れたMの娘が同情を求めて欠席理由を言い回る姿は痛々しく、それを見守る父親の虚ろな姿は悲惨で直視できないほどであった。

 その夜、Mの夫が自分の上司を伴って、自宅まで謝罪に来た。話を聞けば、万引きや置き引きなどの前科を持つMは、手癖が悪く、親戚の家などでも盗みを繰り返していたという。今回のことで実刑判決を受ける可能性は高く、いま住んでいる実家を出されることにもなったので、この土地から離れるらしい。逮捕から十六時間しか経過していないのに、ここまで家庭が崩壊していることに驚く一方、同じ小学校に通うことを不安視していた妻は、学区外に引っ越してくれると聞いて安堵していた。

 それから一週間ほど経過したある日、各被害者への賠償に奔走しているMの夫から示談の申し出があった。その賠償額は時価総額から算出されたもので、とても納得のいく額面ではない。しかし、盗難保険に入っていたことから補填の目途はついたし、罪のない三人の子供達の生活を思えば、Mを刑務所に入れるわけにもいかない。そんな思いから示談に応じることを決めた妻は、どこか釈然としない気持ちのまま宥恕文まで差し出した。

 証拠採用された宥恕文を法廷で読み聞かされた彼女は、その場に泣き崩れて嗚咽を漏らしたという。注目の判決は、懲役二年、執行猶予四年の有罪判決にとどまり、Mが収監されることはなかった。彼女の現在は分からないが、その盗癖が治まっていることを願うばかりだ。

Written by 伊東ゆう

Photo by Vieira_da_Silva

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