[山本太郎の政界デッドボール放談]

「安倍政権は労働者を食い物にしている」|山本太郎コラム

「政府はメガバンクや民間企業を儲けさせたいだけ」

 イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」に加わるために紛争地のシリアに渡航しようとした若者の存在が話題になりました。でも、戦争に行きたい若者の気持ち、わかります。意外かもしれませんけど。

 僕は中学生の時、傭兵になりたかったから。中学生の時には核武装もするべきだ、と思ってましたから。もちろん、今は違いますよ。

 その時に置かれたシチュエーションと関係するんじゃないですかね。

 僕にとって、思春期がそういう時期でした。僕は中学時代がそういうもので溢れている時期だった。

 自分を取り巻く環境をぶち壊したい。

 どうして生きているんだろうと思った時、もっと自分自身で「生きてるんだ」という感覚を味わいたいと思ったら、戦場に結びついた。単純ですね。

 読む本とか接する情報とかにも繋がっていくのかも知れないですけど、「おかしいんじゃないの、最近の若い奴らは」ということじゃないんです。そういう意味で言うと、僕が10代、20代の頃よりも時代はより悪くなっている。

 今の若い子たちの周りには、そういう閉塞感、鬱屈した状況を生み出しやすい環境ができているような気がします。社会から必要とされていない、自分の将来がイメージできない。

苦学生を食い物にする奨学金制度の欺瞞

 そんな気持ちにさせるモノの一つに雇用問題も関係してると思います。50%以上の若者が非正規雇用。安い賃金で働かされて、いつまで雇ってもらえるか解らない。賃金も一向に上がらない。

 そりゃそうです、まず最初に最低賃金が上がり辛くなる事に手を付けたのが安倍政権ですから。国連からも最低賃金が安いと勧告が出てるのに。

 毎月毎月ギリギリの生活で生きてる人たちが沢山いる。夢や希望をどうやって持てって言うんだ! って話ですよね。そういう状況に置かれた若者からしたら、家族を持つなんてとんでもない話ですよ。ひとりで生きるのも精一杯って話ですから。

 それ以前に、大学に進学するのに、借金で首がマワらなくされる国なんですから。奨学金制度です。

 有利子の奨学金の利息は、年間310億円にまで上るそうです。これをメガバンクが懐に入れる。延滞すれば延滞金も発生します。それでさらに50億円近くが生まれるんです。それを誰が懐に入れるかというと、民間の債権回収会社ですよ。

 そいつらが、自分たちの腹を肥やすために学生たちに金融商品みたいなシロモノを押しつけてるわけですよ。本来の目的を考えるのであれば、どんな家庭環境に生まれようとも若い人たちに教育を与えて、社会に出て還元してもらうのが国の仕事。無利子の奨学金を全員に与えたっていいんですよ。民間企業に美味しい思いをさせている360億円の財源を確保すれば出来る。もんじゅや核燃サイクルを止めるだけで財源は十分あるんです。

 自分たちの既得権にバラまくお金があるなら、未来ある若者に使え! 先行投資でしょ? 教育に対して借金で首が回らなくなるような状況を作って放置して少子化対策、って意味不明ですよね。

 少子化を解決するなら具体的な施策として、最低賃金を大幅に上げる。無利子の奨学金を全員に与える。この2点を変えるだけで世の中、どんだけ変わるか。

 やらなきゃいけないのにやる気はない、メガバンクや民間企業を儲けさせる方が優先度が高いようです。

高給取りのホワイトカラーも今後は危ない

 首が締まるような事は次々に訪れます。

 例えば、外国人労働者を受け入れたい、とか。

「少子化でしょう? 大変でしょう? 安い賃金で働ける人たちに来てもらいましょうよ」

 と。ちょっと待てよ。日本人よりも安い賃金で外国人労働者を受け入れてどうなるんですか。一体、誰のためにこんなことをするのか。より安い労働者をもっと増やしたい大企業のためですよ。

 そこで犠牲になるのは、この国で生きてる人々だけじゃなく、今も奴隷のような労働条件で働かされている外国人研修・実習生のような人々がもっと増える事になるでしょう。

 世界的な低賃金競争を加速させて笑うのは、大企業・大資本。それを全力でお手伝いするのが、いまの政治。腹立つでしょ? 

 いや、俺は大企業に勤める勝ち組よ、と言う方も残念ながら、首は締まります。ホワイトカラー・エグゼンプションといって1000万円以上の給与所得者に対して残業代をゼロにしようという動きがありますよね。それだって政府の狙いはそこじゃないですからね。

 その条件を下げていくことによって、労働者に「定額でいつまでも働け」と言うルール変更をしていくつもりでしょう。そうなれば、本物の社畜、奴隷にされてしまいますよ。皆の意志が声や行動になっていけば、変えて行けます。力合わせて変えて行きましょう。

著者プロフィール

参議院議員

山本太郎

1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。

(取材・文/DMMニュース編集部)

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