以前、『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(鳥原隆志著、KADOKAWA/中経出版)を紹介しましたが、そこでも触れたインバスケットは、時間内に多くの判断を行っていくビジネス・シミュレーションゲーム。
ゲームと言っても、制限時間内に架空の人物になりきって課題を解決していく、真剣なものです。
きょうご紹介する『ビジネス偏差値 70の人の答え 40の人の答え』(鳥原隆志著、朝日新聞出版)もまた、この手法について詳しく解説した書籍です。
その第一人者である著者によれば、インバスケットの目的は、次の10の能力を測定・育成することにあるのだとか。人材育成に有効だというわけですが、そのメリットを確認してみましょう。
■1:問題発見力
目標と現状とのギャップや、本質的な問題、組織の課題を形成する能力。
■2:問題分析力
仮説を立て、それを立証するために必要な情報を効果的に収集。そして問題を究明する能力。
■3:創造力
従来の枠組みを破る考え方や、さまざまな情報を組み合わせた対策、アイデアを出す能力。
■4:意思決定力
的確に判断を下し、その理由を論理的に説明できるだけの能力。
■5:洞察力
全体の流れや他の案件との関連性などを把握し、意思決定や明確な計画を形成する能力。
■6:計画組織力
部下や組織を有効に活用し、効率的・効果的に組織を運用する能力。
■7:当事者意識
自ら主体的に意思決定を行ない、自分またはチームになにが求められているのかを察知する意識
■8:ヒューマンスキル
コミュニケーション能力、感受性、コーチング能力などの対人関係能力。