個人の不動産投資家の所得税の節税のひとつとして、所有するアパートと土地のうち、アパートだけを自分が経営する会社に譲渡する、というスキームがあります。法人化すると節税になる、という話を聞いたことがある方も多いと思いますが、個人で賃料をもらうよりも、法人で賃料をもらったほうが節税の可能性は広がります。このため、本来ならアパートも土地も法人に譲渡したいところですが、土地も譲渡すると多少リスクが大きくなると言われていますので、敢えてアパートだけを譲渡する、というやり方が非常に多いのです。
■譲渡する時は時価で行う
土地や建物を譲渡する場合、時価で譲渡する必要があることとされています。このため、土地については、値上がりした土地を自分の会社に売ってしまうと、取得価額と売却時の時価の差額に対し、譲渡所得に対する税金がかかります。
一方で、建物は値上がりすることがあるものの、ある専門家の見解によると、時価は売却時点の帳簿価額でかまわない、と言われています。建物を売却した場合の譲渡所得は、売却代金から帳簿価額を差し引いて計算するとされているところ、時価が帳簿価額になるのであれば、譲渡所得がゼロになって税金はかからない、と計算されるのです。
このような話がありますので、譲渡所得に対する税金が発生しないよう、敢えて建物だけを譲渡する、というのが王道的なスキームになっています。
■建物の時価と帳簿価額は違う
税務署から問題視された、という話は聞いたことがありませんが、税の基本的な考え方からすれば、建物の帳簿価額が建物の時価に一致する、ということには大きな違和感があります。このため、アパートだけ会社に譲渡すれば、譲渡所得に対する税金はかからない、というのは極めてリスクが大きいと個人的には考えています。
専門家の見解はあるものの、その根拠は実際のところあまり明確ではありません。根拠とされる通達を見ましても、個人的には疑問が大きいと考えています。
この点、税務署から問題視されたことがないのであれば大丈夫だ、とおっしゃる方もいますが、税務署の本音としては、時価という不明確なものを計算することが極めて難しいので敢えて問題にしない、というのが正直なところなのです。
となれば、今後税務署が建物の時価を厳格にチェックする可能性もあるわけで、注意が必要です。
家賃収入がある方は必見!「建物だけを法人化」という所得税・相続税節税の王道が実は危険?!
2015.05.20 19:00
|
相談LINE
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
大好物を見たワンコさん、キラキラお目めで〝喜びの舞〟 可愛すぎる反応に5.4万人もん絶
Jタウンネット
2
「親が元気なうち」に考える”親亡き後” 家族だけで抱え込まないという選択
TREND NEWS CASTER
3
銀行員から歯科医師へ。異例の転身の先に見えた、歯科”稼げる産業化”の勝算
TREND NEWS CASTER
4
接客ゼロでも、買い物はもっと楽しくなる? 無人販売店に求められる「安心・快適・自由な空間」とは
TREND NEWS CASTER
5
「やらされる」教育から「自らやりたくなる」環境へ── 非認知能力を育む「スポーツスタッキング」の可能性
TREND NEWS CASTER
6
声を整えれば、働き方も変わる!ハリウッド仕込みの“ボイス・ウェルビーイング”に注目
TREND NEWS CASTER
7
「この子は何なの?どうしてここにいるの?」 三井住友銀行大阪本店にくっついている〝謎のオブジェ〟に3.3万人困惑
Jタウンネット
8
武蔵村山市の公園に立つ〝注意看板〟の内容に2.8万人驚がく 「この先には行かないで」...その理由は?
Jタウンネット
9
脂っこい食事、早食い、寝る前の食事…胃腸トラブルを招くNG習慣とは? 消化器専門医が解説
TREND NEWS CASTER
10
「働きたいシニア」と「人手不足の企業」なぜすれ違う? シニアの“経験資本”を社会実装する挑戦
TREND NEWS CASTER