デキるオトナは知っておきたい「Uber騒動」の拡大、そして政治との複雑な関係 (3/3ページ)
■ Uberショックは日本にも?

PROJoi Ito / Tokyo taxi on Roppongi Dori – Flickr
ここまで世界のタクシー業界の大まかな素性を書いてきたが、そうした構図には当てはまらない国もある。そう、我が国日本だ。
日本のタクシーは、異様なほどサービスがいい。ドライバーはいつも車内の衛生に気を遣い、言葉遣いも丁寧で不正をしない。日本という国自体の治安がいいから、先述のような流れでギャングと関係を持っているということはまずあり得ない。
そういうこともあり、日本では利用客がわざわざ『ライドシェア』という移動手段を選ぶのかという指摘がある。『Uber』の配車サービスアプリは日本でも大いに利用されているが、『Uber』ジャパンの車両は、いずれも“緑ナンバー”で営業を許可された車両だ。現地の既存企業と業務提携をする道を、最初から選んでいる。
もっとも、『ライドシェア』の試験運行はすでに行っている。今年の2月、福岡県福岡市で『Uber』の契約車両(“白ナンバー”車)による営業が開始された。ただし、営業といっても利用客から料金は取らず、契約ドライバーには利用客乗車時の走行時間と照らし合わせて相応の対価が渡されたに過ぎなかった。あくまでも“実験”というスタンスだったのだ。
それでも国土交通省は黙っていなかった。3月に行政指導が下され、『ライドシェア』は中止に追い込まれた。
そしてこれが肝心なのだが、そこから今に至るまで、『ライドシェア』の試験再開を望む市民の声が、あまり大きくなっていない。「日本のタクシーは料金が高い」と言われているが、では中学生の女の子が2,000円かけてタクシーに乗るか、あるいは800円で“白ナンバー”の一般車両に乗るか思案している場合、彼女の保護者はどちらを選ばせるのかという問題を提起することもできる。
日本はやはり、特殊な国である。しかし、だからこそ、世界中を揺るがす『Uber騒動』の落とし所を提示できるかもしれないという可能性を持っているのだ。
【参考・画像】
※ 「ウーバー論争」 大統領でも争点に – 産経ニュース
※ 「UBER」配車で暴行事件 タクシー側が運転手・利用者に – サンパウロ新聞
※ PROJoi Ito / Tokyo taxi on Roppongi Dori – Flickr
※ soramushi – PIXTA(ピクスタ)