死者と会話をする。海外版イタコの住む町、米ニューヨーク・リリーデール (3/4ページ)
集落は、降霊術師ウィラード・オールデンの農場で開かれた地元の会合やピクニックを発端に、降霊術師たちのサマーキャンプとしてスタートした。年に一回、降霊術師たちが集まって一日だけ会合を開いていたが、それがもっと長い期間に拡大された。
年月とともに、ビリヤード室やボーリング場、公会堂、聖堂などが増えていった。現代のリリーデールのランドマークは、霊媒師たちが口寄せを行う森インスピレーション・ストンプ、心霊術の記念品などを集めた博物館、心霊術の文献を大量に所蔵する図書館、動物墓地などだ。
しかし、もっとも有名な建物は、フォックス姉妹が最初にラップ音を聞いた農家だろう。この農家は20世紀始めにリリーデールに移築されたが、残念ながら1955年に焼失してしまった。
リリーデールはいまだに盛況だ。一年を通じて数百人の永住者がいて、そのほとんどが霊媒師や神霊治療者で降霊を公開している。毎年、およそ2万2000人が講習やワークショプ、講義、礼拝、ヒーリングなどでここを訪れる。年間を通してオープンしているが、6月から9月までのハイシーズンは特に混み合う。
しかし、フォックス姉妹のその後は、順調とはいかなかったようだ。数年は、霊との交信のデモンストレーションのために世界中をまわったが、彼女たちの生活は安定せず、徐々にアルコール中毒に悩まされるようになった。1888年の低迷期、ある記者がふたりに1500ドルで降霊をオファーした。