意外なものをスマホ撮影? 弁護士に聞いた「騒音トラブル」解決法

朝からフルで授業を受けて、終電までバイトして、やっと家にたどり着いたと思ったら、隣からカップルのいちゃつく声が…。そんな状況が毎晩続けば、誰だって「もう勘弁して」と叫びたくなるでしょう。
逆も同じです。大学の友達が集まって部屋で麻雀。ジャラジャラと牌をかき混ぜ、叫び声が朝まで続くとなれば、お隣さんが「ふざけんな!」と殴り込みしたくなる気持ちもわかります……。
そのほか、公園でのバンドの練習やお花見など、何かとトラブルになりやすい『騒音問題の対処方法』について、レイ法律事務所の河西邦剛弁護士に伺ってみました!
――騒音にかかわる法律って、どんなのがありますか?
騒音規制法という法律があります。ただ、騒音規制法は、工場や建設現場の騒音、さらには自動車の騒音を規制する法律なので、「近隣住民の話し声やテレビの音がうるさい!」という生活騒音を規制する法律ではないんです。
――じゃあ、周りの生活音を規制する法律はないってことですか?
そうなんです。生活騒音を直接規制する法律はありません。都道府県や市町村町の条例で生活騒音を規制している地方自治体はあるようですが…。
――生活騒音を直接規制する法律がないって、結構意外です。
日本は国土が狭い山国なので、ある程度の生活騒音はお互いに甘受してもらう、という考え方があるみたいですね。
――えー。隣人の騒音に悩まされている場合は、手も足も出ないと…。
ひと昔話題になった「騒音おばさん」のように刑事事件になるケースは極めてまれで、民事上の責任追及をしていくことになります。
――具体的にどうすればいいのですか?
とにもかくにも、証拠が大切になります。騒音の感じ方は個人差がかなり出るところなので、賃貸人である大家さんや最終的には裁判所を説得するための証拠が大切です。
では、実際の証拠の集め方やその後の対処法についてみていきましょう!
■ 騒音計測器で測る! スマホで撮る!!
意外と騒音計測器って安くて、3000円以下で買えるものもあります。隣人の騒音が酷いときには、すかさず騒音計測器を用いて計測スタート! ここでのポイントは、計測している様子をスマートフォンの動画で撮影すること。これで騒音が数値化されますし、しかも騒音が発生している時間も特定できるので、かなり直接的な証拠になります。
■ 診断書をゲットする
ひどい騒音でストレスや不眠が続くならば、病院でお医者さんに診断書を書いてもらいましょう。診断書の相場はだいたい3千~5千円程度のようです。ポイントは、診断の際に、隣人の騒音が原因だと申告すること。これで症状の原因が騒音であることを診断書に書いてくれる場合もあります。ただし、嘘を言って診断書を取得することは厳禁ですよ!
■ 大家さんとの交渉はファーストコンタクトが大事!
まずは、賃貸人である大家さんに連絡しましょう。ここでのポイントは、交渉の方法です。大家さんに「隣人の騒音がうるさい!」と言ってもただのクレーマーと勘違いされかねません。そこで集めた証拠の登場です。騒音計測器で記録したものを、環境省や地方自治体のホームページに掲載されている騒音基準と照らしあわせて一覧表にしておきます。それを渡して「騒音が一般的な限度を超えています。私だけでなく皆さん迷惑を被っています」と冷静に伝えてください。
■ それでも大家さんが動いてくれない場合は…
役所の担当窓口に行って相談してみるのもありですし、弁護士に相談するのもありでしょう。いずれにしても相談するときには必ず、一覧表や診断書を持参してください。特に弁護士だと、証拠がある方が介入するべきか判断が明確になりますし、費用も証拠がない場合に比べると安くすむ場合もあります。
河西先生、ありがとうございました!
トラブルに巻き込まれたくないという気持ちは、誰でも同じはず。お互いに少しずつ譲りあうことで、みんな仲よく暮らしたいものですね。
(取材/サイドランチ、取材協力/レイ法律相談事務所、イラスト/くろにゃこ。)