ガラス工房が創る「明るい未来」日系企業とチャリティー活動 (3/3ページ)
『フュージョンファクトリー』から提供されたガラスに、子どもたちが着色してネックレスやピアスなどに仕上げる。キャンバスにガラスを貼り付け、その上にまた絵を描いた作品もあった。不思議な躍動感に満ちた、「これぞモダンアート」と言うべき絵だ。
障害者へのチャリティー活動というと、どことなく悲壮感漂うイメージがあるかもしれない。だが、インドネシア国民はそもそもが前向きで明るい人々である。自分たちが、心の底から楽しみながら作品を手がけていけば、絶対に振り向いてくれる人がいる。思った通りのものを作品の中で表現すれば、唯一無二の宝物が必ずこの手の中に生まれる。
そうした「明るい未来を信じる心」が、作品の中に息づいている。
強く凛々しい、そして優しいインドネシアの姿がそこにはあるのだ。我々日本人ビジネスマンは、彼らの活動から様々なものを学び取らなくてはならない。
■ 企業は市民に支えられる

人間は“文化”を発展させる動物だ。“文化”がなければ文明もなく、人が人であり続けることはできない。
そして“文化”は、その土地その土地に根付くものでもある。“文化”への投資はすなわち地域振興であり、その逆もまた然りだ。
インドネシアで働く、ある人の苦い経験談をここで語ろう。その日本人ビジネスマン、仮にA氏としておくが、そのA氏の会社が、世界的有名企業B社と共同で事業を行うことになった。その事業は順調に利益を上げたのだが、ここでトラブルが起こった。
B社はインドネシア政府に収めるべき法人税を、1ドルも収めなかったのだ。「アイルランドで会社登記をしているから」という理由で。そう、“タックスヘイブン”を利用した租税回避である。ちなみにB社は、今や世界の誰しもが知っている企業だ。結局その法人税の請求書は、A氏のオフィスにいってしまった。
業種の違いに関係なく、ビジネスというものは「現地の人々」がいて初めて成立する。本来、それは無視できないことだ。繰り返すが、文化がなければ文明もなく、人は人であり続けることはできない。ローソクチャートでは測れない分野への投資も、明日の成長を目指す企業にとって、なくてはならないものなのだ。
小さなガラス細工は、その真理を筆者に語りかけてくれた。
【参考・画像】
※ フュージョンファクトリー
※ tankist276 / Shutterstock