現役牧師と現役僧侶が激突、禁断の対バンに潜入!!「牧師ROCKS vs 坊主バンド」 (3/4ページ)

デイリーニュースオンライン

熱すぎる対バンの舞台裏に潜入。非常階段で“アーティスト写真”撮影

 牧師ROCKS楽屋に行ってみると、キャソックを着用し準備万端な牧師・関野さんの姿が。こんなイケメン牧師がいたら、うっかり改宗してしまうかもしれない。危うく私の歴史の教科書に「2015年 イケメン牧師による改宗」が記されるところであった。

 非常階段でバンド写真の撮影をさせてもらった。スペースがなかったのでやむを得ず階段を使わせてもらったのだが、思いのほか“アー写”な仕上がりになった。革ジャンを着ている人もおり、どう見てもロックバンドだが皆さん正真正銘の牧師さん。

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 坊主バンドの終演間際、「お坊さんたちとハイタッチしよう~っと」と言って、楽屋入り口で『出待ち』する牧師さん。両者ニッコニコでハイタッチし、握手する。なんて平和で美しい光景なのだろうか。

 ライブの成功を祝い、抱き合う坊主たちも可愛らしかった。これが坊主萌えか……。お坊さんたちも階段で記念撮影。みなさんテンションが高い! 普段法事やお葬式といった、しんみりした場面でしかお坊さんに出会わないので、貴重なものを見られた。

讃美歌と共に登場。牧師バンドはゴリゴリロックで迷える子羊を救うぜ!

 牧師ROCKSの登場を待つステージには、大きなバンドロゴ。ロゴにはキリスト、ルター、カルヴァン、メランクトンが描かれており、かなりの豪華メンバー。

 仏教にしても、キリスト教にしても、宗教と音楽はかかわりが深い。その中でも特にルーテル教会(ルター派)は、有名な音楽家に縁がある教会なのだそう。バンドを組むのも自然な流れだろうか?

 スモークが炊かれ、鐘の音とエレキギターが鳴り響く中、牧師ROCKSメンバー登場。なにこの救世主感! 曲は 「On The Rocks-A Mighty Fortress-」。なんと作曲はマルティン・ルター!讃美歌267番 「神は我がやぐら」をアレンジしたものなのだ。

 ロックど真ん中だが、歌詞は「父なる神と~ 子なるキリスト~♪」思いっきり正統派である。やっぱりサビはアーメン。アーメンの声が小さいと「それじゃ救われないだろ!」と関野さんが客席をあおる。アンプに片足載せてる牧師を初めて見た。

「くせぇ……。お前たちじゃねぇ、ステージがお線香くせーんだよ……。それだけならまだしも、生ぐせぇ……。そしてこの世のキナ臭さもある」と笑いを取りつつも、社会の現状に真剣に心を痛めているようだ。

 こうした目立つ活動をしていると、直接批判的なことを言われたり、SNSやインターネットで叩かれることも多いそうだ。牧師さんでも悩むことはある。関野さんは8月のある日、坊主バンドの藤岡さんに電話を掛けた。ちょうどその日はお盆のど真ん中、電話の向こうで木魚の音が聞こえたので早めに切った。すると、その後、藤原さんから「大丈夫?」というメッセージが送られてきたそうだ。

「俺はあの時救われたね。今日、セクシーJも大事なものを洗ってくれた。俺もできれば皆の心を洗いたい、救いたい」と話す関野さん。

「教えてよ、牧師はロックだって!」という関野さんの言葉に続いて、『牧師ROCKSのテーマ』が演奏された。歌詞の中に“Dashbord on Jesus Christ head banging all the way”という一文があるのだが、これは実際にドラムの市原さんの車に、キリストの人形があることに由来するそう。天国までのハイウェイ、ぶっ飛ばそうぜ!!という、痛快なロック。

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 それぞれ離れた土地で働く牧師ROCKSのメンバー。4人がそろうことはまれで、今回のライブに向けての練習は2回しかできなかったそうだ。それでも仕事の合間に時間を見つけてはそれぞれ練習を重ね、彼らはここに立っている。

 この人たちはいつだって、平和について、そして人を幸せにすることについて考えているのだろう。大盛り上がりの客席の中に坊主を発見! お互いのバンドに敬意を払い、楽しんでいることが伝わってきた。

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