ASEANに吹くジャズ旋風 「AYJO」が表現する未来 (3/4ページ)
国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの油井理恵子氏は、
「1月の日本公演では、彼らはさらに進化しています」
と、語った。すなわち9月からのASEAN諸国での演奏ツアーは、28人にとっての“武者修行”でもあるのだ。
彼らは今の時点で、音楽家として完成しているわけではない。だからこそ、その演奏には“伸びやかな明日”というものが表れている。自分たちに訪れる未来は必ず明るいものだと、全員が確信している。音楽は嘘をつかない。演奏者の心の中身が、そのまま観客に伝わってしまう。
東南アジアの国々は、経済面で大きな注目を浴びている。堅調なGDP成長率、旺盛な消費、増え続ける労働者人口。そこに“閉塞感”という言葉はなく、代わりに具現化された“希望”が空を照らしている。『AYJO』のメンバーは、そのような光景を偽りなく表現していたのだ。
演奏が終わると、観客は席を立ち会場を後にしようとする。だが一人の例外もなく、誰もが興奮の余韻に頬を赤らめている。女の子は隣の席に座っていた友人に「あの演奏、最高だったね!」と言わずにいられない。若い男は座席から立ち上がれず、ただ溜め息をつき誰もいなくなった舞台上を見つめている。彼の脳内では、すでに何度もアンコール演奏が行われている状態だ。
そうしてようやく家路につき、自宅の玄関をくぐる。しかしその心は、いつまでもグラハ・バクティ・ブダヤに置き忘れたままだ。結局、『AYJO』の公演を観に行った人々はこう考えることになるのだ。
「もう一度聴きたい!」
■ 日本公演は来年1月
『AYJO』の日本公演のスケジュールは以下のとおり。
来年1月に行われる日本ツアーは、先述の通り3都市の周遊だ。東京、福島、宮城。