吉田豪インタビュー企画:長州力「いまでもアキラに言うよ、わざと蹴っただろって」(3) (2/3ページ)
マダガスカルで恐怖の寄生虫に感染
──本に出てない話シリーズで、これは個人的に聞きたいことなんですけど……。
長州 ……またプロレスの話ですか?
──すいません! もう嫌ですか?
長州 なんか……うん。
──マダガスカルの話をちょっと聞いてみたいと思って。
長州 ああ、行ったなあ。もう何年ぐらい前? 20年以上?
──ジャパンプロレスの頃だから30年近く前ですよね。
長州 じゃあ35歳は過ぎてますね。37~38? 40前ぐらいじゃないですか? もう子供いたですから。
──あのとき現地の人と闘ったりしたじゃないですか。
長州 現地? ああ、ありましたね! 最近なんかいろんな番組でマダガスカルが取り上げられてて、ずいぶん首都も大きくなったな、すごい変わったなって感じますよね。たしかに現地の人間と……まあ、現地の人間ったって……。
──向こうの屈強な若者の挑戦を受けたっていう。
長州 でも、みんなマッチみたいに細かったから。
──当時の新日本の選手って、猪木さんとかもそうですけど、よくアフリカとかに行って現地の人の挑戦を受ける企画を特番とかでやってましたけど。
長州 あれはべつに挑戦でもないし、ただ参加しただけで。そしたら、勝てばお嫁さんひとりやるって言われて、やりましたねえ(笑)。
──そのとき向こうで大病したみたいな噂も聞いたんですけど……。
長州 大病っていうか、寄生虫。注射を何本も打って行ったんですけどね、体内に入れちゃったらね。食べものが原因だったんですよね。
──ものすごい怖い寄生虫だったって聞きましたよ。体内はいずり回るような。
長州 うん、怖いですね。日本ってホントにすごいなと思いました。そういう寄生虫を研究してる先生もいて。最後はそこに飛び込んだですよね。
──ボク、その先生に会いました。
長州 藤田紘一郎先生?
──そうです。藤田先生の著書を読んでたら、寄生虫関係で「プロレスラーC・Rのケース」っていうエピソードが出てて、これ長州さんじゃんっていう(笑)。
長州 すごいたいへんな虫なのに、研究室で「おおっ、みんな集まって! これだ!」って言って、みんなで写真を撮ってましたね。
──長州さん、そこまで大変なときも試合してたんですよね。
長州 やってたんですよね。べつに痛いとか熱が出るとかじゃないですから。最後、熊本かどっかでこりゃダメだなと思って、飛行機で帰ってきて。これは違うぞっていうような。そしたらこういう研究してる人がいるっていうんで、そこにちょっと行ってみようかってことで行ったんです。
──それですぐ治ったんですか?
長州 すぐっていうか、その薬がしんどかったですね。やっぱり僕みたいな頑丈な人間でも、抗生物質みたいなのはすっごいだるくなるんですよね、なんかもう。それで試合も休んだんじゃないかな。何日か起き上がって歩くのもしんどいぐらいで。