野球賭博問題で再び明るみに、プロスポーツ界と裏社会の「つながり」 (2/4ページ)
たとえば数年前に引退した人気野手のA氏は、プライベートでも派手に“打つ”ことで有名だった。
パチンコや公営ギャンブルに万札を流し続け、最終的に自己破産してしまった。引退後わずか数年での自己破産というのは最悪のタイミングで、来年の行方すら知れないプロ野球選手は常に引退後の運転資金を考慮に入れなければならない。
現役を引退した後も指導者として球団に居られるのは、実績がありなおかつ運も強い、ほんの一部の人間だけだ。
そういうことを頭では分かっているが、やめられない。射幸心を煽られ続けた結果、感覚が麻痺してしまうのだ。
現に今回の事件の当事者である巨人軍投手は、何と自らの巨人戦や高校野球をも賭博の対象にしていたというのだ。本人がどう主張しようと、客観的に見ればこれは「彼の頭から判断力が失われてしまった」ということになる。
■ 「黒い霧」の影響
野球賭博といえばもうひとつ、『黒い霧事件』が思い出される。
これは1969年から約2年の間に次々発覚した違法賭博問題で、複数球団の選手が野球賭博に絡む八百長やオートレースでの不正に関わっていたというものだ。
まさに芋づる式に発覚し、当時の野球ファンを大いに失望させた。
スポーツはやはり、しばしばギャンブルの対象とされる。野球に限らず、特にテレビという革新的なメディアツールが誕生する前は、裏社会でそうした賭場が開かれていた。
ところがテレビが家庭に欠かせないものになり、テレビ局そのものが報道機関としての役割を担うようになると、スポーツと裏社会とのつながりを排除しようという動きが活発になった。テレビ放映による収益が、違法賭博という危ない橋を渡るよりも、よほど大きなものだったという理由もある。
逆に言えば、この手の事件が発覚すると必ず暴力団とのつながりが取り沙汰されるということだ。
現に今月、新潟県警が野球賭博を実施したという疑いで神戸の山口組総本部を家宅捜索した。もちろん山口組系組織と巨人軍選手の一連の行為は関連しているのかどうかまだ不明だが、裏社会の組織にとって、野球賭博は大きな“シノギ”の一つであることに変わりはない。