野球賭博問題で再び明るみに、プロスポーツ界と裏社会の「つながり」 (3/4ページ)
2020年の東京オリンピックに向け建設が進められている新国立競技場は、果たして完成が間に合うのかという懸念がある。
だがそれよりも、プロスポーツ界につきまとう暗黒を振り払うことのほうが先決ではないのか。もし暴力団がオリンピックを利用した賭場を開帳し、それが発覚したとなれば、日本スポーツ界は修復不可能のダメージを負うだろう。
そういった面でのプロスポーツへの監視は、決して怠ってはならないのだ。
■ 問われる運営者の手腕
だがそのようなことを、格闘技選手でもある筆者が堂々というのはおかしいかもしれない。というのも、日本の総合格闘技界は細分化しすぎたせいで、裏社会からつけ込まれやすい状況を自らつくってしまったからだ。
前田日明氏が2008年に『THE OUTSIDER』を立ち上げてから、日本各地で『地下格闘技』を名乗る興業団体が一気に増えた。だがそれらは、はっきり言えばピンキリである。「選手の実力云々ではなく、正統的な方法で格闘技の興業を行っているかどうか」という問題だ。
実を言うと、純粋に格闘技だけで観客の興奮を呼び起こすということはかなり難しい。なぜなら、格闘技には両者手詰まりの“膠着”と呼ばれる状態が度々発生する。ボクシングで言うなら、何発かのパンチを出す度にクリンチ状態になってしまう現象だ。一般人がそれを見て盛り上がるということは、あまりない。興奮どころか興醒めしてしまう。
だから、もともと巨利を得る目的で始めた団体はその現実に突き当たる。そして次第に金のためなら手段を選ばなくなる。
チケットを強制的に買わせる、脅迫まがいの行為でスポンサー契約を結ばせる、そして賭場を開帳する等々。試合内容も観客のヒートを極度に発生させるためにレフェリーストップをかけなかったり、“鮫と金魚”とでも言うべき実力差のカードを組んで悲惨な結果を生み出すなど、様々な問題を起こしている。
しかし格闘技を楽しむ、あるいは格闘技発展を目的に始めた団体は、“シノギ”のことなどまったく気にしない。だからこそ、安全性が高くバラエティーにも富んだ試合を組むことができる。