【クルマを学ぶ】世界中で話題の「クリーンディーゼル」とは何か

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【クルマを学ぶ】世界中で話題の「クリーンディーゼル」とは何か

※ シリーズ前回の記事
【クルマを学ぶ】排ガス規制問題、フォルクスワーゲンが使った「defeat device」とは
http://nge.jp/2015/10/03/post-118790

source:http://www.shutterstock.com/

いい意味でも悪い意味でもディーゼルエンジンが注目されている。

VWが排ガス規制に対して不正な装置を使ったことがきっかけだ。

一方でマツダなど他メーカーでは自身の出している『クリーンディーゼル』の透明性を宣言、またトヨタは新しい新型『クリーンディーゼル』を発表するなど、まだまだ話題が尽きない。

そもそも『ディーゼルエンジン』とはどういったものか、そして『クリーンディーゼル』とは何を目指したのか、振り返ってみよう。

■ 「ディーゼルエンジン」の特徴

『ディーゼルエンジン』は、ガソリンエンジンと異なり、軽油を使うことは知られている。海外から原油を輸入したのち精製すると沸点の違いによりガソリン、灯油、軽油などが精製される。

軽油はガソリンの沸点が30度以下に対し、170度〜370度と高く、高温高圧でよく燃え、高い燃焼効率を誇る。

軽油を使う『ディーゼルエンジン』は、軽油を燃やすために高温高圧にする必要があるため、ガソリンエンジンとは異なる構造となっている。

圧縮比を高め、高温高圧となったシリンダー内に直接燃料を噴射すると自己着火して爆発するため、着火のためのスパークプラグは不要だ。

また、燃料噴射量を制御することで出力を制御可能なため、スロットルバルブもない。

空気はインテークバルブからシリンダー内に入り圧縮、自己着火による爆発後、エキゾーストバルブから排気される比較的シンプルな構造で、効率面ではガソリンエンジンを凌ぐ。


■ 排出ガスの問題

メリットが多い『ディーゼルエンジン』を悩ませたのが、排出ガスの問題である。

ガソリンエンジンでは、排出ガスに含まれるCO2が地球温暖化ガスが問題であったが、ディーゼルでは窒素酸化物(NOx)とPM(Particulate matter)が問題となった。

NOxは光化学スモッグや酸性雨の原因となる大気汚染物質、PMはガンなど健康被害の直接的原因となる。

燃焼状態によりNOxとPMの発生は左右されるが、多くの場合NOxを抑制するとPMが、PMを抑制しようとするとNOxが増加するという、トレードオフの関係となってしまう。

この課題を解決するためのブレイクスルーが話題の『クリーンディーゼル』である。

■ 「クリーンディーゼル」の技術

PMの除去にはDPF(Diesel Particulate Filter)が有効、NOxには後処理装置、SCR(選択還元触媒)やLNT(NOx吸蔵還元触媒)が有効だ。

東京都がディーゼル規制を導入した際に、当時の石原都知事が黒い粉を振りまくパフォーマンスが印象的だが、これを取り除くのがDPFだ。

また、PM発生を抑える目的で開発されたのがコモンレール式インジェクター。高圧噴射で燃料を微粒子化、燃えやすくすることで、PMが発生しにくい。

排出されたNOxを尿素を使い分解する尿素SCRは、専用の装置が必要なためコストアップ、搭載スペースが必要な他、定期的な尿素(アドブルー)の補給が必要となる。

一方、NOx吸蔵還元触媒は搭載スペースの問題はないが、有効に動作させるための条件があることや、燃費効率の悪化、長期使用時の性能低下が懸念材料だ。

そもそも、発生するNOxを少なくしようというのが排気ガスの一部を吸気に戻す EGR(Exhaust Gas Recirculation)で、これにより酸素量が減り燃焼温度が下がることでNOx発生を抑制可能だ。

しかしながら、燃焼効率は同時に低下するというジレンマがある。

各社さまざまな技術を組み合わせ、クリーンディーゼルとして排出ガス規制に適合させている。

マツダではディーゼルの常識を打ち破る低圧縮比、トヨタではピストンにコーティングを行い断熱圧縮効率を向上させるといった工夫を行い、ブレイクスルーをしている。

■ VWの陥った罠

メルセデスのブルーテックは尿素SCRを使った後処理装置を採用している。

大型車でも多く採用される尿素SCRであれば、確実にNOxを低減させることが可能で、コストアップも高級車であるメルセデスであれば、性能とのバランスで見合うものとなる。

一方VWは大衆車メーカーであり、販売は価格の安い小型車が中心だ。そのためコストの観点からEGRとNOx吸蔵還元触媒を組み合わせた手法をとったのだろう。

しかしEGRの多用はパフォーマンス低下、NOx吸蔵還元触媒は長期使用時の性能低下という課題があり、禁断の『defeat device』に頼ってしまった。

ハイブリッドに対抗するための『クリーンディーゼル』技術。2000年代に注目されたが、その期待がここにきて大きく揺らいでいる。今後の信頼回復に期待したい。

【参考・動画】

※ 知っておきたいガソリン知識最前線 – 鈴与商事

※ ディーゼル革新の立役者がこだわった10万分の1秒 – 日本経済新聞

※ メルセデス・ベンツはなぜディーゼルを追求するのか – 日経トレンディネット

※ SKYACTIV-D(ディーゼルエンジン) ~マツダ開発担当者による技術説明~ – YouTube

※ 【トヨタのテクノロジー】クリーンディーゼルエンジン – YouTube

【画像】

※ frankie’s / Shutterstock

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