いつかなくなる!? 地球は毎年「減っている」ってほんと? (1/2ページ)

学生の窓口


生物にとってかけがえのない存在である「地球」。その地球が毎年5万トンも軽くなっているのはご存じですか? 地球に空気があるのは「重力」のおかげで、宇宙のチリを引き寄せるのと同時に、軽い水素やヘリウムは宇宙に流れ出てしまい、差し引き年5万トンのペースで軽くなっています。地球の質量を考えればダイエットとも呼べない誤差の範囲ですが、大気の0.0005%ほどしかないヘリウムは今でも貴重な存在なので、これ以上減ると、吸い込んで遊んでいる場合じゃないほどの高額商品になってしまうのです。

■毎年10万トンも減る「空気」

「宇宙は無重力」と表現されがちだが、正確には「微少重力」で、本当に「無」重力な場所は存在しない。これは重力が、

 ・重力 = 距離の2乗に反比例

の式で表されることからもわかるように、近ければ強くなるのは確かですが、どんなに離れてもゼロにはなりません。地球が太陽の周りを公転し続けるのも、海外SFドラマのように月が宇宙をさまよわないのも重力があるからで、天体の重力をまったく受けない場所は存在しないからなのです。

地球に空気があるのも重力のおかげで、もしなければ地球に留まっている理由もなく、宇宙に霧散してしまいます。生物が安心して暮らせるのも重力あっての話ですが、上空では重力の影響が小さいため、毎年10万トン近くの空気が減っています。軽い水素やヘリウムが宇宙に流れ出てしまっているのです。

1リットルのおよその重さを比較すると、

 ・空気 … 1.2g

 ・水素 … 0.07g(空気の約0.06倍)

 ・ヘリウム … 0.17g(空気の約0.14倍)

と、水素とヘリウムは圧倒的に軽く、高い場所へと上昇していく。高高度になるほど地球の重力の影響を受けにくくなり、やがては宇宙へと旅立ってしまいます。地球は毎年7万台弱分「軽く」なっているのです。

「いつかなくなる!? 地球は毎年「減っている」ってほんと?」のページです。デイリーニュースオンラインは、科学調査カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る