コール・イッキ……大学のコンパで無理やりお酒を飲ませると犯罪になる?
学生にとって春の恒例行事である「コンパ」。卒業生の追い出しや新歓コンパでハメを外し過ぎて、苦い思い出ができてしまったひとも少なくないだろう。
ドラマで定番の「オレの酒が飲めないのかっ!」は、刑法・223条「強要(きょうよう)」に抵触するれっきとした犯罪で、飲まされたひとの具合が悪くなると傷害罪に問われることもある。「飲め!」とあおったり、一気コールをしたひとも現場助勢(じょせい)で1年以下の懲役になるので、無理じいは絶対禁止!で楽しいお酒を心がけよう。
■酒の無理じいで懲役15年!
他人になにかをムリヤリさせることを「強要」と呼び、刑法・223条によって禁止されている。そのひとにとって「義務」ではないことをムリヤリさせる、または自由におこなえるはずの行為を妨害すると、りっぱな犯罪になるのだ。
新歓コンパでは「伝統」と称して、お酒を飲ませる、芸をさせるなどの話も聞くが、これこそが「強要」で、3年以下の懲役になる可能性もある。
もし誰かにお酒を強要し、具合が悪くなったらどうなるのか? 飲ませたひとの罪を段階的に挙げると、
・ムリヤリ飲ませた … 刑法・223条「強要」
・飲まされたひとの具合が悪くなった … 刑法・204条「傷害」
・飲まされたひとが亡くなった … 刑法・205条「傷害致死(ちし)」
または 刑法・210条「過失致死(ちし)」
になる。
これらの罪を犯すと、
・強要 … 3年以下の懲役
・傷害 … 15年以下の懲役 または 50万円以下の罰金
・傷害致死 … 3年以上の懲役
・過失致死 … 50万円以下の罰金
と重い処罰を受けることになるので、先輩の立場を利用して「飲め!」は厳禁だ。周りで一緒になって「一気!」とはやし立てたひとも、刑法・206条「現場助勢」で1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられる。
本来なら「止めましょうよ」と助け船を出すべきなのに、一緒になって「飲め!」とあおっていると「あなたも同罪」と処罰の対象になってしまうのだ。
■新入生の飲酒で、先輩が犯罪者に!
未成年者にお酒を飲ませるとどうなるのか? 新入生なら20歳未満が一般的なので、そうと知っていながらお酒を勧めると、さらに罪を重ねることになる。
20歳未満の飲酒を禁止した「未成年者飲酒禁止法」から、要点を抜粋すると、
・(1条1項) … 未成年者はお酒を飲んではいけない
・(1条2項) … 親や監督する立場のひとは、未成年者の飲酒を制止する義務がある
・(3条2項) … 親や監督が制止しなかった場合、科料(=罰金)が科せられる
とされているので、もし新入生が自らお酒を飲んでも、上級生は「監督していない!」と罪に問われる。
場を盛り上げようと、いまだに「一気飲み」が横行しているようだが、これは完全に自殺行為。酔いがまわる前に許容範囲を超えて飲んでしまうので、急性アルコール中毒になって当たり前」の飲み方である。さらに、飲む機会が増えると「酒に強くなる」もウソで、酔いに慣れてしまうだけの話。
大げさに言えば「脳が慢性酔っ払い状態」になっているようなものだから、少量でも目がまわるうちがハナと言えよう。
最近は「一気飲み禁止」「コンパでの注意点」などのチラシを作成し、学生に呼びかけている学校も多い。たとえ酔いつぶれただけでも、大騒ぎになれば「退学!」の憂き目をみることになるので、節度ある飲酒を楽しんで頂きたい。
■まとめ
・オレの酒が飲めないのかっ!と強要すると犯罪になる
・ムリに飲ませて具合が悪くなると「傷害」になり、15年以下の懲役が科せられる
・未成年の飲酒を止めない場合も罰金が科せられる
(関口 寿/ガリレオワークス)