いつか25時間に!? 1日は毎日「長くなっている」ってほんと? (2/2ページ)
なかでも大きな要因となっているのは潮の満ち引きで、月の引力によって海水は大移動、ある意味で地球を「変形」させるようなものですから、これが自転を遅らせる原因となり、現在の24時間になったのです。
■月は毎年小さくなっている?
地球の自転はやがて止まってしまうのでしょうか? 現在も減速し続けているならいつかは速度がゼロになってもおかしくありませんが、1億8,000万年後でも「25時間」程度と予測されています。
先の計算では、一定のペースで減速すると仮定しましたが、実際には「減速ペースが減速」すると考えられています。これもやはり「月」が理由で、毎年3.8cmほど地球から遠ざかっているので、影響がどんどん小さくなっているからです。
現在の1日24時間と、過去の1日、減速ペースを比較すると、
・46億年前 … 1日5時間 … 毎年0.000014秒
・6億年前 … 1日22時間 … 毎年0.000012秒
とゆるやかになっていることが分かります。地球が誕生したてのときは、月は約4万kmの距離、つまり現在の10分の1ほどの距離にあったため、いまよりも強く影響していましたが、遠心力によって月が遠のきブレーキが弱くなっているのです。
日々、1日が長くなっているのは確かですが、ブレーキが弱まっているのも事実なので、理論上止まることはなさそうです。それよりも月は約4cm/年のペースで遠のき、やがて肉眼では見えないサイズになってしまうので、子孫のために一句詠んでおくと良いでしょう。
■まとめ
・地球が誕生したころは、1日が約5時間だった
・現在も毎年10万分の1秒ほど、一日が「長く」なっている
・月の引力による「潮の満ち引き」が、地球に強いブレーキをかけている
・月は毎年約4cm遠くなっているので、将来「肉眼」では見えなくなってしまう
(関口 寿/ガリレオワークス)