インドネシアとサブカルコスプレイヤーたちが創る「明日の光景」 (3/4ページ)
長距離列車に何時間も揺られてジャカルタへ行き、そこで開催されるイベントに始まりから終わりまで参加する。
その間に数百人というカメラ小僧に「写真お願い!」とせがまれ、一度も拒むことなく笑顔で対応する。
全てのプログラムが終わった頃にはもちろん疲れ切っているが、一晩寝たら体力ゲージは満回復だ。ローラの全身からみなぎる元気が、イベント会場を明るくする。

「インドネシアは先進的なイスラム圏」と書いたが、そんな国にも過激派は存在する。
例えば、たびたびジャカルタの中心部で大掛かりなデモを行うイスラム防衛戦線のように。
彼らは集会の度に「女は働くべからず。良き妻になって家の中で過ごすべし」と叫ぶ。そしてそれを支持する女性もいるというのが、また驚きだ。
だがその威勢は、要するに自らの能力に自信がないからだということを大多数のインドネシア市民は知っている。
レディー・ガガの来尼コンサートの会場を放火すると宣言し、そのイベント自体を中止に追い込んだ過激派は、良識ある市民からの支持をまったく得られていない。
彼らの暴力的な言葉は、むしろユウキやローラの活動の原動力になっている。
■ サブカルと観光業界
さて、インドネシアで催されるサブカルイベントには、もう一つ重要なポイントがある。
日本の観光業界にとって、このテのイベントは観光客を呼び込む絶好のチャンスという点だ。
近年のASEAN諸国全体の経済成長、そして去年から実施されたインドネシア人向けの日本観光ビザ免除政策が、我が国の観光業界を大いに潤している。
これまで“日本旅行”といえば、ビジネスマンが商用で赴くという形が主なものだった。
しかし、今は違う。各旅行会社が低価格のパッケージツアーを企画し、ミドルクラスの市民にとっても手が届きそうな位置にまで“夢”が降りてきた。