東京電力は昔ニューヨークの10倍も設備に投資!日本経済の実態 (3/3ページ)
■日本は進化を意識する必要がある
ここで著者は、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を取り上げています。また、ユニクロの柳井正氏の、「成功するのはいい。しかし、その日のうちに忘れてしまえ」という発言も引き合いに出しています。
理由はなにか? つまり、成功体験にとらわれてはいけないということを主張しているわけです。
歴史を振り返れば、1960年代以降のイギリスは「英国病」と揶揄され、世界から見捨てられていました。そこにサッチャーが登場し、大きな改革を進めたわけです。
現在、世界最大の金融センターはロンドンで、製造業の世界トップ100に入っている企業の数は、日本よりイギリスの方が多いのだそうです。
つまり、経済は変わるということ。だからこそ、経験を鼻にかけて同じところにとどまっていたら、国の力は維持できるはずがないということ。
歴史は繰り返す面もありますが、ただ繰り返されているだけではなく、部分的に繰り返しながら進化していくもの。
日本は、そのことを意識する必要があるというわけです。
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解説は平易でわかりやすいので、過去から現在までの経済の歴史を、無理なくなぞることができるはず。
不安な時代だからこそ、足元を確認するという意味でも読んでおきたい一冊です。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※竹中平蔵(2015)『400年の流れが2時間でざっとつかめる 教養としての日本経済史』KADOKAWA