ラノベ棚を担当する同志社大生に聞いた! 大学生にとっての本屋バイトの魅力とは? 【いか文庫コラボ連載Vol.1】

学生の窓口

本好きなら一度はやってみたいと思う「本屋さんのアルバイト」。でも、求人が少ないこともあって実際にはどんな仕事をしているのかわかりづらかったりしますよね。そこで、「エア本屋」として日々営業している「いか文庫」が、実際に本屋さんで書店員として働いている大学生に突撃取材! 知られざる本屋バイトの魅力に迫ります。
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【今回の本屋バイト大学生プロフィール】
斉藤 泰成(たいせい)さん
同志社大学法学部3回生(21歳)
京都府長岡京市出身
務めている本屋さん:恵文社バンビオ店さん


今回は10月16日〜11月8日まで、『いか文庫×恵文社バンビオ店「イカした装丁が好き!」フェア』を開催させていただいていた、京都・長岡京にある「恵文社バンビオ店」さんにて、大学生アルバイトの斉藤さんにお話を伺いました。スタッフの皆さんからも「真面目でしっかりしている」と評判の斉藤さんはどんな大学生なのでしょうか…?それではさっそく、どうぞ!

ー大学生というと、他にもいろいろなアルバイトがありますよね?でもなぜ、数あるアルバイトの中から、書店を選んだのですか?

この書店は品揃えが好きで、高校の時からよく利用していたのですけれど、大学に入ってそろそろアルバイトを探そうかなぁと思った時にちょうど、ここの書店さんが求人を出していて。もともと年に一度求人を出すか出さないかの頻度なので、ちょうどいいかなと思って応募しました。

ーアルバイトを始めてからはどれくらいですか?あと、週どのくらい勤務していますか?

1回生の4月に入りましたので、もう2年半くらいですね。他に特にアルバイトもしてないので、週3〜4日くらいですね。

ーおぉ!結構入ってるんですね!すごいなぁ!担当されている棚などはありますか?

ライトノベルのエリアを1列(棚ごと)いただいております。新刊も既刊も両方、発注をかけたり、補充したりしております。

ーふんふん。売れそうだと思うものや、自分が好きなもの、読んで面白かったなぁというものを選んで展開しているんですか?

そうですね。これまで置いてなかったシリーズを試してみたり、まだ扱っていない作者さんなどを探してみたり、行けそうなものがあったら、ちょっとずつ入れてみて……という風にやっています。

ー売れたらもっと増やして、売れなかったらやり直したり、他のスタッフの皆さんと同じ様なお仕事をされてるわけですね。すごい。

アルバイトなのであまり責任の部分を追求されたことは無いですけれど(笑)、どれが売れたか?のデータなどを見て、動いていますね。
ーこちらのお店は地元のお客さんが多いようで、「いつもどうも〜」とか「今日はなんですか〜」とかいう会話がちらほら聞こえて来たのですが、そういった常連さんと接するのは楽しいですか?


何度か来られてる方の顔を覚えると、対応の仕方もわかるようになってくるんです。そうするとお客様もいい気持ちで買い物をしてくれて、少しずつ気持ちを許してくださるようになってくるので、そうなると接客も楽しいなと思います。お互いに気持ちよく、仕事をするというか。

ー買う方も嬉しいし、売る方も嬉しいし、理想的ですよね。わかるなぁ。じゃあ、そんな中で、今までで一番嬉しかったこと、書店でアルバイトして良かったなぁ!と思うことはありますか?

そうですねぇ……。基本的には、「これが売れそうだな」というものを入れて発注しているのですが、それとは別に、「売れるかどうかわからないけども、読んでみて面白かったから、1冊くらい置いてみようかな」って思って入れた本なんかも時々ありまして、そういう本をお客様がレジに持って来てくれて、自分でレジに通す時は嬉しいですね。

ーわぁ!それすごくわかります!つい、話しかけたくなりませんか?私は何度か話しかけちゃったことがあります。

なりますが、実際にかけたことはないですね……。

ーお互いにうふふ〜と、心の中で喜んでいるかんじですかね?

そうだと思いますね(笑)

ーでは少しお仕事から離れるのですが。まわりのお友達は、本を読んでいる人が多いですか?それとも少ないですか?

あまりいないですねぇ。学校の教科書だけを読んだら活字は足りているというかんじなので。

ー活字ばなれ、でしょうか?

うーん、活字ばなれというか……法学部なので、新聞や論文なんかはよく読むので、そういった意味では活字ばなれでは無いんですが、小説や新書なんかからは離れていますかね。なるべく好みの本は薦めたりするのですけれど。

ー本を勧めた時は、友達の反応はどうですか?

わりと遠慮なく言える仲なので、面白かったら「続き貸して」と言ってくれますし、つまらなかったら、特に何も言わずに「ありがとう」と返されます。

ー話が変わりますが、これまでに衝撃を受けた本はありますか?この本面白かった、すごかった!人生変えるかもしれないな、のような。

うーん。メインで読んでいるのが漫画やライトノベルということもあって、すごく面白いと思うことはあっても、人生を変えるかというと……。あっ、小説で言えば、中学生の時に初めて伊坂(幸太郎)さんの本を読んだんですが、その時に、テンポが良くってちょっと漫画的でファンタジックな現実世界、というのがすごく面白かったなという印象があります。

伊坂さんだと、最初の方に読んだのが『魔王』と『重力ピエロ』なんですが、最初に読んだということもあって、印象が深いです。伊坂さん以外で言うと、宮部みゆきさんの『ブレイブ・ストーリー』が、映画を見た後に原作を買って読んだんですが、初めて自分でシリーズを買ったということもあって、楽しかったですし、印象深いです。
ー単刀直入にお聞きしますが、楽しいですか?本屋さんのアルバイト。


やってて辛かったりもありますけど、総合的には、最近は後輩も入ってきましたし、いろいろ発見も増えて、やりがいはありますね。さっきも少しお話したように常連さんのお客様も結構いるんですけど、対応を失敗してしまった時に、激励まじりではあるんですけれども、ちょっときつく言われてしまって、落ち込んだこともありました。

ーなるほど〜。でもいいですね、激励というのが。ちなみに他にやってみたいアルバイトはありますか?本屋がベストですか?

そうですねぇ。人と会話するよりは、一方的に喋っている方が得意なので、そういったことができるバイトもやってみようと思って、やったんですが……。同志社大学の今出川キャンパスは、観光名所になってまして、ツアーガイドとして学生がお客様をお案内するんです。そのガイドを授業の合間にやるアルバイトがあって、一応今もメンバーとして在籍はしています。お客様によって一長一短な部分があって、一方的に喋るのであっても、お客さんのノリによって喋り方を換えないと行けないなということがあって、難しいところもあるのですが、そっちはそっちで楽しいですね。

ーいいですねぇ。ぜひぜひ聞いてみたいです。もうそろそろ最後の質問ですが……将来の夢は、何ですか?

裁判所事務官を目指して勉強しています。公務員試験に受かって、働いて、最終的には、家族か親か、まだわからないですが、不自由なく暮らさせてあげたいなぁと。

ーなんと!そんな先まで考えてるんですね。この長岡京の雰囲気はファミリー感があるなと感じたのですが、家族と幸せに暮らしたいというのはその影響もあるんですかねぇ。町にも、斉藤さんにも、穏やかさがありますものねぇ。では、本当に最後になりますが、好きな学食のメニューはありますか?

よく食べるのは、生協の「ささみチーズかつ」です。257円という値段の割にボリュームがあって、味も好みなんです。メインメニューは300円くらいで収まるのですが、ご飯とかサイドメニューとかをつけると500円とか600円とかになっちゃうので、家からご飯を持って行って食べています。

ーなるほどー!やっぱり学食って安いんですねぇ。ささみチーズかつ、食べてみたいです!インタビューは以上ですが、担当されている棚って、見せてもらうことできますかね?

あ、はい、じゃあ店長に聞いてみますね。

ーありがとうございます!(本当にしっかりしてるなぁ……)

このあと、斉藤さんが担当されている本棚を見せていただきました。

きれいに整った書棚に、いくつか面(表紙が見えるように)で置かれているものもあって、それはもちろん、斉藤さんのオススメしているもの。
「この作品は、尖ってるけど王道なんです」「これは最近人気が出て来ているジャンルで…」「この作家さんは定番ですね」「最近は市場が増えているので、レーベルもどんどん増えてるんです」「これも人気があるんですが、本当はもっとこっちのレーベルを試してみたいと思っていて……。」などなど、生き生きと自分の棚の説明をしてくれました。

ライトノベルはいか文庫ではあまり紹介しないジャンルではありますが、最近はSFものなど、一般的に文芸と呼ばれるジャンルの本と連携させて販売をしていたりもするそうで、そうなると興味も俄然湧いてくるなぁ!まだまだ知らない本の世界があるなぁ!と、思いがけず嬉しい発見がありました。

本屋のアルバイトに、勉強に、大学生ってやることたくさんあって大変そうだけれど、その分輝いている斉藤さん。これからも、お友達やお客様に、たくさん本をお薦めしていってくださいね。応援しています!

「ラノベ棚を担当する同志社大生に聞いた! 大学生にとっての本屋バイトの魅力とは? 【いか文庫コラボ連載Vol.1】」のページです。デイリーニュースオンラインは、同志社大学いか文庫本・書籍関関同立大学生の本音カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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