急増中注意! 内科医に聞く、風邪ではないのにのどに激痛、発熱する「溶連菌感染症」とは (1/2ページ)
頭痛や発熱、のどの痛みなど、風邪とよく似た症状の「溶連菌(ようれんきん)感染症」をご存知ですか。国立感染症研究所の調査(2015年第45週・11月11集計)では3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多いレベルで流行していると報告されています。
内科医で泉岡医院(大阪市都島区)の泉岡利於(いずおか・としお)院長は、「一般に子どもがかかりやすいとされてきましたが、2015年から大人の感染者数が急増しています。高熱の期間は感染力が強く、条件によっては学校で出席停止の措置が必要とされる病気です」と話します。風邪との違いや対処法を聞きました。
■風邪とは違ってせき、くしゃみ、鼻水は出ない
溶連菌感染症について、泉岡医師は次のように説明します。
「原因は、『溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)』という細菌です。主に、溶連菌感染症にかかった人のせきやくしゃみ、つばなどのしぶきから他人ののどや手足の傷口に入って感染します。
潜伏期間は2~5日間で、発症すると38度以上の高熱やのどの痛みが現れます。頭痛や下痢、おう吐、全身のけんたい感、関節の痛みなど風邪とそっくりな症状に加えて、手足に発疹が出ることが多いんです。ただし、風邪とは違ってせきやくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどはなく、とにかくのどが強く痛み、『急性咽頭(いんとう)炎』や『急性へんとう腺炎』の症状が出ます。
疲れがたまって免疫力が低下しているときは、大人でも感染しやすい病気です。特に免疫力がまだ乏しい10~20代は注意してください。
冬季に流行しやすいため、寒い時期にのどが痛むがせきは出ない、でも熱があるという場合は治療をすると同時に、人にうつす可能性があるので、学校や会社を休む、最低マスクをする、自宅でも家族にうつさないように気を配りましょう」
溶連菌感染症に感染したかどうかは、どうすればわかるのでしょうか。