10年で4000%リターン実現の投資家に学ぶ「お金の考え方」 (1/3ページ)
『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』(ジム・ロジャーズ著、プレジデント社)の著者名を見て、ピンときた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それもそのはず、彼は世界的に大きな影響力を持つ投資家であり、同時に、多くのベストセラーを生み出してきた作家でもあるからです。
米アラバマ州の貧しい家庭に生まれ育った彼は、奨学金でイェール大学を卒業し、オックスフォード大学ベリオールカレッジ修了。そののち投資会社クォンタム・ファンドを設立して巨額の富を得た実績を持っています。
なんと、彼の投資は10年間で4000%を超える驚異のリターンを実現しているのだとか。
それだけでもすごいのに、37歳で引退してからは世界を旅し、現在はシンガポールへ移住。なんともうらやましい生き方を実践しているわけです。
本書は、そんな人だからこそ書けたといえる投資哲学集。しかし決して難解ではなく、もっと広い意味での人生哲学としても読むことができます。
ここではそのなかから、お金に関する話題をピックアップしてみたいと思います。
■人やモノなどはお金の流れについていく
アメリカ経済に目を向けてみればわかるとおり、現在、アングロ・サクソンを中心とした「西洋モデル」が行き詰まりを見せています。
その結果、世界の債権国は中国、日本、シンガポールとアジアに集中。
こうした情勢について著者は、人、モノ、芸術、すべてがお金の流れについていくものだと記しています。
先に触れたとおり著者はアメリカからシンガポールに引っ越しましたが、それもこのような世界の動きから判断したものだということ。
■著者は「バブルは必ず崩壊する」と予測
リーマンショック前の住宅ブームについては著者も、「明らかに異常」だったという印象を持っているそうです。
「アメリカで過去にあんな事態が起きたためしはなかった」とも書いているので、皮膚感覚としてかなりの衝撃をおぼえたのでしょう。