自殺行為も同然? ナマケモノのトイレは「命がけ」だってほんと? (1/2ページ)
生き物には欠かせない行為なのに下ネタの代表である「トイレ」ネタ。人間なら回数や便秘の話が中心ですが、野生動物では「生死」に関わる深刻な話題なのはご存じでしょうか?
ほ乳類のなかでもっとも動きの遅いナマケモノは、1日かけても数メートルしか移動できず、用を足すのも週に1回程度。超スローな動きで木から降りて、地面におしりをつけて用を足すため、捕食者に見つかったら一巻の終わり……用を足すのも「命がけ」な動物なのです。ため込んだウンチで恋人探しをするハイラックス、しっぽでまき散らして自分の「縄張り」を主張するカバなど、変わった動物が数多く存在するのです。
■トイレに行くのも決死の覚悟
「名は体を表す」の言葉は、まさにナマケモノのためと言えるでしょう。カギ状の爪で木にぶら下がったまま生活するナマケモノは、
・毎日20時間睡眠
・交尾や出産
・食事
と、人生? のほとんどを木の上で過ごします。草食性のため葉や果実を食べ、一日の移動距離は数メートル程度と、動きも遅ければ行動範囲も激セマなのが名前の由来です。そんなナマケモノも地上に降りることがあります。なんとトイレをするために下りてくるのです。
ナマケモノのウンチは週に1回程度で、木に抱きつくようなかっこうで地面におしりをつけて用を足します。草食動物らしいコロコロのウンチを排泄する様子はなんともかわいらしいのですが、ナマケモノにとっては「命がけ」のイベント、あまりにも動きがスローなため、敵に襲われて命を落とす可能性が非常に高いからです。
逃げれば? と思うのが当然でしょうが、ぶら下がって生活するように進化(退化? )したため、地上では「はう」ようにしか移動できません。それ以前に、4本の足には「からだ」を支える筋肉もないので、ハイハイするのがやっとな無力さ……木から下りる行為は、ナマケモノにとって自殺行為に等しいのです。