自殺行為も同然? ナマケモノのトイレは「命がけ」だってほんと? (2/2ページ)
それでも「トイレは地上で」ルールを守り続けるナマケモノは、ハードボイルドな動物と呼ぶべきかも知れません。
■出会い系トイレ誕生!
もし人間だったら迷惑すぎるウンチの動物もいます。仲間と大量にため込むハイラックス、しっぽでまき散らすカバが代表例です。
日本ではなじみの薄いハイラックスは崖の上で暮らす動物で、ほぼ垂直な壁も登れる高い身体能力を誇ります。タヌキの仲間ながらもウサギやネズミをイメージさせるかわいらしい容姿の持ち主なのに、トイレ事情は極悪… 仲間と共同でウンチをため込むヘンな習性を持っているのです。
この行動は「ため糞(ぐそ)」と呼ばれ、なかには深さ50cmにも及ぶ巨大な「ウンチ・プール」を作ることもあります。人間だったら近所迷惑はなはだしい行為ですが、目的はなんと「恋愛」のためで、ウンチの臭いから性別や適齢期を判断し、パートナーを探す手がかりにしているのです。さしずめ「出会い系トイレ」と言ったところでしょうか、見かけによらず、ハイラックスは意外と「おとな」な一面を持っているのです。
ため込むハイラックスとは対称的に、カバはウンチをまき散らす派で、自分の「縄張り」を主張するだけでなく、
・「におい」で侵入者を威嚇
・遠出するときは「道しるべ」に使う
と便利アイテムで、しっぽをグルグル回すのはそのためです。ちびっ子に人気の高い動物ですが、動物園ではカバ舎の天井にまで届くこともあるというので、しっぽを動かしているときは近寄らないほうが身のためです。
■まとめ
・ナマケモノは20時間のロングスリーパー。人生のほとんどを木の上で暮らす
・だいたい週1ペースで、地上に降りてウンチをする
・地上ではハイハイしかできないので、トイレ中に敵に襲われる可能性・大
・ハイラックスは、ウンチをため込んで「出会い系トイレ」を作る
・カバがしっぽを振り回すのは、ウンチをまき散らすため
(関口 寿/ガリレオワークス)